広島県呉市「石崎動物病院」

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2016年05月09日(月)

犬の心タンポナーゼ [News]

●20歳、Mix、♀、ぺこ
以前から咳をしていたが、「急にショック状態が発生し、舌の色が白く変化し、眼振を発生、7転8倒の苦しみがあった」と来院されました。
既に他院にてメニエルと診断されていましたが、眼振は治まっていました、呼吸が重いことと咳が気になり、まずは身体検査とレントゲン検査の許可をいただきました。

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●レントゲン写真
心臓の拡張がみられ、特に右の前方域は大きき膨らみ塊状病変を疑わせます。また、胸水もわずかにあるようです。

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●超音波検査
心臓に近い側とその外側に液体貯留を認めました。超音波では、袋内の液状がそれぞれ異なる様子が見られます。
また、心基底部に腫瘍らしき塊が見られます、確定診断はできませんが、血管肉腫が想像されました。

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●穿刺液
左が100ml、右が400ml、いずれも心嚢穿刺から採取された液体です。袋が2層になっていて心臓に近い側が左、胸に近い側が右で異なる様相を呈し超音波所見と同じ内容でした。
穿刺後の心臓の検査では、僧房弁閉鎖不全が見つかりました。穿刺液の細胞診では異形細胞は見られませんでした。

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●処置後
著しかった咳は直ぐに治まり、食欲も改善されました。心臓周囲にに合わせて500mLもの貯留液が溜まり、その圧迫で咳と食欲不振が発生していたと想像されました。

●腫瘍対策
20歳ともなると当然老化による酸化は発生しますが、根本的な腫瘍発生の問題である酸化の原因を見つめなければなりません。酸化の原因は、大気汚染、添加物、化学物質、重金属、水道水、電磁波の影響、精神・肉体的ストレスなどから発生し、長年の生活習慣から悪化します。それぞれを点検しながら、全てを改める意識と行動力が今後の未来を分けます。じっくりと飼い主さんとお話を進めながら、酸化を還元する実践行動を積極的に行っていかなければなりません。ちなみに、当院では抗癌剤は使用しません。なぜならば、抗癌剤は、酸化還元電位で表現すると2000mVもの高酸化力を持つ代物で、活性酸素により酸化が進んだ状態をさらに酸化させて、強力に足を引っ張る要因になるからです。


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17時21分


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