広島県呉市「石崎動物病院」

動物に優しく思いやりのある診療をモットーに

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マムシに注意!

●柴犬 ♀ ナナ 13歳
鳴くこともなく、道端の草むらで何やら慌てている様子だったそうです。
その後、顔が徐々に腫れあがり、ご覧の状態になりました。

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●咬み傷
左の下瞼に咬まれたと思われる特徴的な傷(2か所)がありました。

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ほほ、首回りと浮腫が発生し、全体的に顔が大きくなっているのが分かります。
私の過去の経験(34年)では、重篤な症状にいたったケースは一度もありません。消炎剤を処置し、腫れは7日間もすれば引いてなくなります。人との大きな違いがあります。

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●人の場合は(医師会ページ参照)
人間がマムシに咬まれた場合には、咬まれた部位が腫れて紫色になり、皮下出血、水泡形成、リンパ節の腫れも認めます。重症例では、筋壊死を起こし、吐気、頭痛、発熱、めまい、意識混濁、視力低下、痺れ、血圧低下、急性腎不全による乏尿、血尿を認めます。通常、受傷翌日まで症状は進展し、3日間程度で症状は改善していきますが、完全に局所の腫脹、こわばり、しびれなどが完治するまで1カ月ぐらいかかります。ただし、いったん重症化すると腎不全となり死に至ることもあります。

マムシに咬まれた場合、まず噛まれた傷口より心臓側を布などで軽く縛り安静にして下さい。これは毒が全身に回るのを遅らせるためです。あわてて走ったりすると毒が全身に回りやすくなります。次に、傷口から血を絞り出すようにして毒を体外に出します。水があれば血を絞り出しながら洗浄して下さい。口で毒を吸い出す方法は、口付近に傷があるときには禁忌です。

上記の処置を行っている間に救急車を呼ぶか、速やかに救急指定病院を受診して治療を受けて下さい。病院では受傷部位の切開、洗浄、点滴等を行います。重症例ではマムシ抗毒素を投与する場合もあります。重症となった症例は、ほとんどが受傷から数時間たってから病院を受診した場合です。噛まれた後すぐに顕著な症状がなくても、3〜4時間後に重篤な症状をおこしてくることがあるので、必ず早期に医療機関を受診して下さい。


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