広島県呉市「石崎動物病院」

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2010年04月27日(火)

循環器科:小型犬は心臓が悪くなるのです。 [News]

●チェリー 14歳マルチーズ
3年前に「数年前から突然倒れる」との主訴で転院してこられました。診察させていただくと、以前から咳があり、聴診で左側からの雑音、そして心臓のリズムの異常が見つかりました。小型の老犬に多い病気は、左側の心臓の弁が変性してしまう「僧帽弁閉鎖不全」です。チェリーもその病気を疑って検査計画を立てました。

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●精密検査
心臓が悪いと分かりましたので、その詳細を探るためにレントゲンと超音波検査を行う計画を立てました。チェリーは、凄く怖がりなので、軽い鎮静を行いリラックスいただいてから検査を進めました。

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●カラドップラー
まずは、上記で弁のしまり具合、形状、心筋の厚さ、各心臓の部屋の大きさ(心臓は4つの部屋に区切られています)を観察後、カラーを乗せて弁部における逆流を検査しました。
チェリーは、左の弁で著しい逆流(モザイクに映る)が観察されました。

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●計測
逆流が分かったので、大動脈と左心房の大きさの比を測定します。左の弁の締りが悪く、逆流が観察されたので、その影響がどの程度出ているのか、数字で左の部屋(心房)の大きさを測定します。正常値は大動脈経と左心房比は1:1.5以下です。

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●収縮力の測定
逆流が見られる場合には、左心室の収縮力が増加していのですが、その程度を数字として表わし、また、その収縮力の程度により薬の選択を行います。

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●逆流速の測定
左の心房にどのぐらいの逆流の速度があるのかを数字で測定します。

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●流出速の測定
左心房から心室に向けて流れる血液の速度を測定します。これにより、心室の心筋の固さが分かります。

●チェりー情報
チェリーの特技は、ゴハンがほしい時には、招き猫の真似をして「頂戴」ができるそうです。そんなチェリーと3年前に出会い、検査後に投薬が始まりましが。2年後に股関節脱臼のために麻酔を余儀なくされました。その後も数回倒れながらも今日まで元気にこれました。これも、飼主さんに信頼いただき、コミュニケーションをとりながら定期検査に真面目に来ていただいた成果であると思います。嬉しい限りです。

●飼主さんから一言
「チェリー!まだまだ長生きしてね!」

09時02分


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