広島県呉市「石崎動物病院」

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猫の化膿(縫い針の誤飲) [News]

●キーちゃん 6歳 ♀ 雑種
「吐血?、シーツに血が付く」という主訴で初診で来院いただきました。
拝見する前から異臭を放ち、咬まれたことによる化膿を想像していました。詳細は、喉の皮膚に3×5p程の壊死を生じて小さな破れた穴から臭い分泌物が排泄されていました。衰弱(重度の肝障害:黄疸と脱水)が激しいことと、皮膚は既に壊死(腐敗)を起こしていたので無麻酔で切除を行いました。切除を進めると、光った異物がこちらに向かって飛び出していることに気づきました。「ん?」と思いながら引き抜くと糸付きの縫い針が収穫されたのでした。その状況を見ていた飼い主さんも吃驚で「いつの間に食べたのでしょうか?」「どうして針を飲んだのでしょうか?」と答えようのない質問が続きました。

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とにもかくにも、麻酔をかけないと詳細が分からない状態でありますが、肝障害を発生しています。まずはエネルギー充填、その後、傷を本格的にデブライド(清浄処置)して、内視鏡で食道の状態を内側から確認する予定をご説明し、そして、すぐに栄養補給用の鼻カテーテルを設置しました。

●内視鏡検査と胃カテーテルの設置(10日目)
頚部の状態は複雑で針による食道の損傷を確かめることができません。まずは、食道の状態を把握するために内視鏡を使用しました。内視鏡で見る限り食道は綺麗に目えます、2日前にスタッから「鼻カテーテル〜スープを与えると苦しそうにする」と報告を受けていましたので、とりあえず食道を保護する予定で胃にカテーテルを設置することにしました。

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●頚部清浄
頚部をクリーニングすると、穴の大きさが5×10pに広がりました。3ヶ所に排液ドレーンを設置して、損傷部を縫い縮めました。

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4本の排液チューブとできる限りの傷の縮小化を図りました。

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●その後
喉の再縫合を行いました。時々喉に何か詰まるかのように苦しそうな発作が続いていましたが、麻酔処置以降は、その症状は全くなくなり、日に日に機嫌が良くなっています。(嬉)

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退院間近です!

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犬の股関節脱臼(非観血的方法) [News]

●チュラ 柴 約2歳 ♀
10日前に突然足を挙げる症状があり、掛かり付けのドクターに受診、レントゲン撮影により股関節脱臼と診断を受けたそうです。手術で大腿骨骨頭を切除する必要があると言われ、他の手立てはないかと海を渡って遠くは四国から来院されました。

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●非観血的整復
脱臼直後であれば整復しやすく、多くは外科手術をおこなわずに整復した経験がありましたが、10日以上経過したケースでしたので、電話を戴いた際には躊躇しましたが、「どうしても、ともかくお願いしたい!」と強いご依頼によりチャレンジさせていただくことになりました。

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前方へ脱臼した左足を引っ張りながら回転し寛骨臼に戻しました。そして、バンテージで固定した後、綿の袋で覆いました。当日四国へ帰宅、遠方の為2週間後にお会いすることを予約いただきました。

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●レントゲン撮影
既に診断は他院の結果をお聞きしていましたが、脱臼状態を把握(前or後)するために、レントゲンを撮影させていただきました。

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●経過
2週間後に再確認のレントゲンン写真を撮影しました。ご都合により今回が最後の来院になるとお聞きしましたので緊張の瞬間でした。

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結果は、上の写真の通り無事に整復されていました!
遠方よりご苦労様でした。
そして、その後順調の様です。

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犬の鼠経部嵌頓ヘルニア [News]

●ダックスフンド ♂ 12歳
「お腹の片側が膨らんで吐き気が止まらない。」と緊急で来院されました。明らかに鼠径部(股)が著しく腫れて異常を漂わせるに状態ありました。超音波検査では、皮下に腸管と液体貯留がみられました、触診での痛みはありません。緊急手術も想定して血液検査を合わせて行いました。

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●緊急手術
突然の嘔吐、片側下腹部の著しい腫れ、超音波所見から、鼠径部の穴(鼠経輪)から臓器が飛び出して戻らなくなった状況を仮診断して緊急手術をお勧めしました。かかりつけの獣医さんが居らっしゃるので迷われたのですが、一刻も早く手術することを強くお勧めしました。

●術後
夜の緊急手術でしたが、終わったのが12時前、それから目が覚めるのに長時間を要しました。血液検査における肝臓、腎臓パネルは異常なし、手術時間は中程度。血圧、心電図所見は良好、しかし、喉頭反射が出て気管チューブが抜けるまでまでが大変でした。監視しながら飼い主さんと一緒にその時を待ちましたが朝方6時になりました。数年に一度このような経験しますが流石に応えます。

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翌日、2日目と嘔吐が続き心配しましたが、3日目には見違えるように元気になりました、しっぽを振って迎えてくれる姿を見ると疲れが一気に吹っ飛びます。めでたしめでたし。

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