ウサギの国際セミナー [News]
犬の鼠経ヘルニア [News]
●チワワ らん ♀ 7歳
「鼠経ヘルニア」の手術をご紹介いただきました。
現在7歳ですが、既に1歳半から症状があったそうです。
そして、徐々にヘルニア嚢が大きくなっていき、どれぐらい様子をみれば良いか迷い6年あまりが経過してしまいました。そして、いよいよ手術をしなければ・・・と。
●鼠経ヘルニア
鼠経ヘルニアとは、また(股)の鼠蹊部から腹腔内内容物が飛び出した状態を言います。
●手術
ヘルニアの中身は、大網(お腹の中にある脂肪の網)と子宮でした。大網あるいは腸、時に膀胱は当たり前に鼠経ヘルニアの内容となります、しかし、卵巣、子宮までが出てきたのは初の経験でした。
先ず、子宮体部、頸管が飛び出しそれにつられて卵巣が引きずり出されたことが想像されました。右の卵巣は鼠径部からアプローチできましたが、左が対処できないために、腹部正中切開を加えました。
卵巣(赤⇒)が遠位の鼠経部まで飛び出るとなると、卵巣を固定している靭帯が相当伸びる必要があります。
白矢印は、腹部内の脂肪の網である大網でした。
●縫合
鼠蹊部の切開だけで終了できるならばと思っていましたが、片側の卵巣が引き出せませんでした、そして、正中切開を行い、右卵巣を切除して鼠蹊部の大網を引き込み整復して縫合を行いました。
●3日目
傷の状態観察と痛み止めシールをはがすために来院いただきました。
徐々に元気になっている様子に安心しました。
体重が少し減りましたので、これを機会に大幅減少をお勧めしています。
文鳥の卵管脱 [News]
●ぐり 2歳 ♀ 文鳥
「昨日夜からお尻から赤いものが出ている」主訴で
朝一番に来院されました!
「今まで捕まえたことが無い!」と言われるので、心配でしたが性格は穏やかで、おとなしく捕まりしっかりと観察することができました。
卵を最近良く生んでいたと聞きましたので、
腹圧による脱腸、卵管脱が疑われました。
やさしく綿棒で脱出部分を肛門から整復しました。
再び飛び出るようであれば縫合が必要になることをお伝えしました。
その後、再脱出の連絡を受け縫合の準備を進めました。
●麻酔
吸入箱で導入し、マスクで維持しました。
麻酔管理は、犬・猫とは異なり、呼吸状態だけでコントロールしなければならないのが欠点で安全性の落ちる所です。
ちなみに、犬猫の管理は人間に等しく
血圧、心電図、酸素、二酸化酸素、麻酔濃度、体温などがモニター上に映し出されます。
●整復
脱出した卵管をやさしく戻し、肛門周囲を便が出る程度に縫い縮めました。
翌日にご連絡を入れると「赤いものは出ていない、便は順調に出ている」ご報告をいただき一安心でした。
数日後に抜糸を行い終了する予定です。
併せて、食事における毒性物質中和、水の選び方、電磁波汚染の
指導を行いました。
●抜糸
10日後に麻酔下で抜糸を行いました。
肛門周辺は汚れが無くなり綺麗になりました、
無事終了!