犬の喉頭炎 [News]
●アンジー 3歳 ♀ パピオン
「昨日、昼寝してから食欲なし、夜中に咳をするように泡を吐き出していた。寝ていて急に起き上がることがある」などの情報をもらいました。
そして、おやつはアキレス腱、ドライ肉でした。
身体検査から緊急性はなく血液検査は行いませんでした。
まずは絶食絶水で臓器を休めることを指示しました。
●2日目
翌日は「咳き込む感じで胃液を吐く」でした。
咳症状は通常@気管(気管支) A心臓 B肺 C喉の問題で発生します。身体検査では、上記の異常はなく、続いて行った血液検査では、軽度の急性炎症)CRP 1.5mg/dl(正常値<0.7mg/dl)以外の異常はありません。さらに、周波数測定では重度の食道炎と軽度の胃炎が浮上しました。
指示は、絶食絶水です。
●3日目
咳が軽くなり、食事も欲しそうにする。
遊ぶ元気が出てきた。
寝ているところ急に起きて咳をする。
咳はまだ続きますが、改善してきました。
急性炎症の指標CRPは1.3mg/dlと軽度に低下してきました。
周波数測定では、胃と食道の問題はなくなりました。
胃と食道の改善から、少量の消化の良い食事を開始しました。
●11日目
最終確認のために炎症の検査を行いました。
結果は正常値CRP 0.6mg/dl、正常に復していました。
咳は全くなくなり食欲正常。
今回の原因は、喉頭の周波数を調べていなかったことが悔やまれますが、飼い主さんが与えている大きく硬いアキレス腱が喉、食道、胃を傷つけ、
喉頭の損傷に違和感を生じ咳の発生に繋がったと思われます。
大きなおやつは、気を付けましょう!
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子犬の低血糖症 [News]
●チワワ ♀ 2カ月 コウ
昏睡状態で担ぎ込まれました。
飼主さん曰く「昨日までは元気に飛びまわっていたのに・・・・。」
急ぎ採血を行うと血糖値は「Lo」と低蛋白でした。
続いてお話を伺うと
数日前から便が柔らかくなっていたそうです。
●鼻カテーテル
緊急用に鼻からカテーテルを装着しました。
昏睡状態ですので、抵抗もなく5分で装着可能です。
帰宅後に低血糖所見を感じたら、天然の蜂蜜を投与してもらいます。
*ガムシロップなどは、高血糖になることがあるので使用を控えます。
●原因はコクシジウム(寄生虫)感染!
検便を行うと前視野に僅か1個のコクシジウム殻を見つけました。
子犬の命に関わる消化管代表寄生虫は
@ジアルジアAトリコモナスBそしてこのコクシジウムです。
軽度の軟便、下痢の際には検便を繰り返し、寄生虫の存在を否定しなければなりません。
治療は駆虫薬を2種併せて投与します。
コクシジウムはしつこいので、
通常6日間、3クールを基本として与えます。
今回の低血糖と低蛋白症は、寄生虫による栄養吸収障害が原因と思われます。
子犬の頃は、肝臓のグルコースとしての蓄え、脂肪への変換が不十分の上、腸からの吸収が阻害されることで細胞のエネルギー不足(低血糖)が発生します。
前回にも記載しましたが、子犬の軟便は、すぐさま検便を繰り返し、寄生虫感染を否定することが肝要です。
犬の半規管障害 [News]
●ベル 12歳 柴犬 ♀
「急に頭が傾いて食欲が全くない」主訴で来院されました。
身体検査では、両目における水平眼振、周波数検査では内耳(*半規管)障害が見つかりました。内耳障害に著効する漢方薬もありますが、水は飲むが何も食べれないとのことなので、飼い主さんの希望もあり周波数療法を当日から始めました。
*半規管とは?
内耳にある平衡感覚をつかさどる器官です。
高齢の柴犬では、半規管障害によく遭遇する経験があります。
●周波数療法2日目
急性の場合には、3日間続いて行うのが有効です。
初日に持続的に左右に揺れていた眼の異常な動きが散発になり改善してきたと聞きました。
残念ながらまだ食事は採れません。
●食欲不振に関して
飼い主さんは、食欲が無くなると、何とかして食べさせようと試み、そして、食べると安心します。
しかし・・・・人間の例ですが、朝、昼、晩と3食摂取するとフルマラソンのエネルギーを必要とします。病気の際には、身体はエネルギーをできる限り温存して、病気を治すためだけに費やしたい希望があります。水さえ飲んでいれば7日間ほど食べなくても全く問題ありません。
食事の負担、さらには、汚染物質が混入されていれば、その処理に身体は時間とエネルギーを奪われます。無理やり食べさせること、化学物質の混入などは、身体のエネルギーを奪い取り、治癒を遅らせることに繋がることを理解してください。