院長ブログ
猫の黄疸1 [院長ブログ]
●嵐 ♂ 5歳ぐらい
「食欲元気がなく吐く」主訴で来院されました。体温40度、皮膚弾力低下、虚脱、口からの出血が見られました。
●黄疸とは?
嵐の身体検査では、明らかに粘膜の色が黄色に変化して、黄疸があることを物語ります。黄疸は、血液中のビリルビン(赤血球の主要構成成分)が増加して、皮膚や粘膜などの組織が黄色く変化した状態を言います。原因は、胆管閉塞、脂肪肝、肝腫瘍、胆管肝炎、肝臓関連性外の全身性疾患(寄生虫、ウイルス、薬物、毒素、内分泌)、外傷などが挙げられます。
眼の内側に位置する瞬膜(第3眼瞼)が黄色に変化しているのが分かります。
*自宅での黄疸チェック法として、皮膚の色よりは、結膜、軟口蓋(内上顎の部分)を観察すると黄色く変化する黄疸を発見しやすくなります。
●治療 2週間後
嵐は、上記の鑑別リストから除外診断を行い、胆管肝炎と診断しました。そして、抗生剤の投与を開始し、栄養給与は、鼻チューブによるサポートを行いました。一時は、瀕死の状況でしたが、当初のビリルビン値7.7が現在は、0.7に低下し、現在はもの凄い食欲が出ました。
*嵐君は治療が気に入ったのか、診察台の上から降りようとせずモミモミとご機嫌です。目が合うと「何かクレ〜」と訴えます。
3月のセミナー案内 [院長ブログ]
ようやく春めいてきましたが、皆様に於かれましてはお変わりありませんか?さて、春のセミナーの時期がやってまいりました、楽しみな企画ですので万障繰り合わせてご参加ください。お会いできるのを楽しみにしています。
日 時 3月30日(日曜日)
場 所 ビューボート呉 3階
時 間 午後12時30分から5時頃まで
講 師 板本和仁先生(山口大学動物医療センター准教授)
参加費 10,000円前後
テーマ 麻酔器、ちゃんと使いこなしていますか!?
*ベンチレーターの使い方
*麻酔中のモニターリングについて
参加資格
会員外の先生もアットフォームな雰囲気で気楽にご参加いただけます。会員資格は、一度でも参加されれば以降会員となります。
年会費は不要ですので、お気軽にご連絡ください。
大和臨床研究会事務局 0823-21-4175 あるいは「お問い合わせ」から
猫の口内炎 [院長ブログ]
ウララ 9歳 三毛 ♀
●主訴は「食欲まったく無し、よだれがダラダラでる!」でした。口の中をのぞくとご覧の通り、著しい口内炎が見られました。人間では、想像できないほどの激しい状態です。処置は必要に応じて全ての歯を抜歯することもありますが、今回のケースは、歯のクリーニング、局所治療とレーザー処置を試みました。
●3回目の治療
よだれは無くなり、食欲も正常に復しました。飼い主さんの感想では、もう完全に治癒しているのでは?と思われるほど良好でしたが、実際の口腔内の状況は60%程度の改善で、特に右の口頬部の炎症強くが残っています。
局所注射と炎症により盛り上がった肉芽部分を炭酸ガスレーザによる蒸散処置を施しました。
●猫の口内炎は、非常に悩ましい病気です。大切なことは、歯石、歯のエナメル質の状況、細菌・ウイルス関与を調査し、適宜局所注射などを併用しながら改善につなげることが大切です。副作用を配慮して、ステロイドの使用は行いません。









