広島県呉市「石崎動物病院」

動物に優しく思いやりのある診療をモットーに

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難治性皮膚病 [飼い主さん感想文]

はなちゃんが我が家にやってきて、丸2年になります。事情があって一時的に元飼い主さんから預かったのですが、それからずっと我が家で暮らし、今はかけがえのない家族です。
はなちゃんに出会ったのは5年前ですが、その当時から手足のパットは腫れ上がり、大きさも異常に大きく、まるで、もみじ饅頭をくっつけているようでした。実際にトリミングサロンでは「もみ饅ちゃん」というニックネームで呼ばれていたほどでした(笑)。

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ゆっくり歩きはしますが、あまり走り回ることは無く、時々足をつくのを痛がることがありました。当時かかっていた病院では、アカラスが少しとかアレルギーだとか、との診断でお薬が出ますが、特に回復するといった状態にはならず、一時的に緩和はしますが繰り返し、徐々に悪化していきました。歩きたく無かったのもあるのか、おしっこを我慢しがちで、膀胱炎になったくらいでした。
昨年の6月ごろからは、パットはひどい状態で、その上、手足の表?甲の部分にはびっしり血豆のようなものができ、痛痒いのでしょう、一日中舐めるので、血豆がつぶれ、手足は血まみれ。夜となく昼となく舐める音が聞こえていました。一晩中、熱を持ったような手足を保冷剤で冷やしてやることもありました。顎や胸、鼻の横等、手足以外にもできてきはじめ、別の病院へ変わり、期待しましたが、抗生剤とステロイドのお薬が出るだけで、原因も治療法も無いに等しいと言われ、もうほとほとくたびれてしまいました。

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そんな時、封印していた記憶がよみがえり、石崎病院で診察を受けました。と言うのは、はなちゃんが来る約半年前に、同じくシーズーの女の仔を亡くしていました。やはり皮膚病で市内の病院4軒にかかりましたが、微妙にちょっと診断が違うかな・・・程度で同じようなお薬とドックフード、シャンプーの治療を続けていたのです。2週間に1度のシャンプーから週1に、最後は1日置きになり、週1の通院、家族全員で手分けの付ききりで、くたくたになっていたところ、東京でトリミングサロンを経営している友人がかかりつけの病院で、うちの状態を話したところ、「広島県なら呉市ってところに良い先生がいらっしゃるよ」と言われたよと連絡があり、すぐにネットで探し、「ここだ!」と確信して予約をしました。

が・・・、その次の日に急に発作のようなものを起こし、ぐったりしてしまい、急遽かかっていた病院へ入院しました。心臓がかなり弱っているとのことで、点滴をして様子を見ましょうということで預けて帰ったのですが、その晩、息を引き取りました。実際私も、くたびれ果ててはいたけれど、このまま治療をせずに連れて帰るという諦めることは到底できずに置いて帰った訳ですが、家から遠く離れ、家族の傍で旅立つことができなかった、してあげられなかった後悔と罪悪感でいっぱいで落ち込み、時々、元気なころのあの仔は思い出すものの、あの時のことは忘れようと封印していたのです。はなちゃんがあまりにひどい状態になって思い悩み、ふと亡くなった仔のことが頭に浮かんだ時、「そうだ!あの病院だ!」と思い出し、今度こそとの思いで受診できました。

ひどい状態ではありますが、半年から1年かかるかも知れないけど治りますよと言って頂いた時には涙が出るほど嬉しかったです。診断も違うし、治療法も違い、目の前が明るく晴れ渡るような思いでした。診断、治療法はもちろんですが、先生や看護師さん、スタッフの方々が親身で優しく、動揺や緊張、不安を抱くこともなく、安心して治療できました。

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どんどん回復していく様子には、広島市内からは時間もかかりますが、苦にもならず、家族全員の精神的にも楽になりました。1年、半年は覚悟していましたが、治療を始めてものの1ヶ月半で2年前のような状態になり、免疫力を上げるオゾンやサプリのお蔭もあり、今は初めて会った5年前よりも更に元気で走り回っています。薦めて頂いた生肉食を食べるようになり、少しダイエットもできました。

前の病院で、何とかならないでしょうかと懇願する私に、同じような仔もいるんですが治らないんですよぉ〜と、その仔に会わせてもらことがあるのですが、その仔に?その親御さんに治りますよと教えてあげたいくらいです。

先生、看護師さん、スタッフの皆様、本当に有難うございました。これからも宜しくお願いします。

広島から通う「はなの飼い主」より

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椎間板ヘルニア「夢叶いました!」 [院長ブログ]

以前「椎間板ヘルニア」でご紹介したエム君のその後の経過を報告します。ビデオをご覧の通り、やや走りに不安が残っていた以前と比べて、今や健常犬と見間違うほど立派な走りが出来るようになりました。歩ける日を夢見て頑張ってきた甲斐がありました、現在は一か月に一度の鍼治療のみですが、ここまでの飼い主さんの深い愛情と、エル君の努力で夢が叶いました!

脊髄損傷により下半身が麻痺し、腰から下の痛覚が無くなりました。その後、東京へ出向いて再生医療を行われたそうですが、残念ながら効果なく、それでも何とか歩ける夢を抱きながら、筋肉が落ちるのを懸命に防ぎつつ、当方への治療に足繁く通われました。
当時を知る我々は、ここまで走れる様になるとは思えず、現在も痛覚が無い中、このビデオを拝見し驚くばかりでした。頑張って来院戴けたことに感謝です。


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犬の副腎皮質機能亢進症 [院長ブログ]

●ロビン、♂、14歳、Mix 
主訴は「白内障を見て欲しい」でした。約1年前から目が白くなりしょぼしょぼするとのことでした。

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●目の観察
目を観察、検査すると、白い濁りは角膜表面に存在する問題であることが分かりました。よくあることですが、飼い主さんの白内障の認識は、目が白くなると白内障と思ってしまうことです。白内障とは、目を正面から見て、角膜、虹彩、そして、その奥に位置するレンズが白く濁る事を言います。また、白いレンズの濁りは核硬化症との鑑別が必要になります。

●角膜色素沈着
今回は、白内障ではなく角膜上に白い沈着物があることを白内障と誤認されていました。角膜上の白い変化としては、@カルシウム、コレステロールなどの代謝産物の沈着、A角膜ジストロフィー(遺伝性の角膜変性)B角膜浮腫が主たる原因となります。稟告と血液検査から副腎皮質機能亢進症を強く疑いました。コレステロール値は670(正常値312)と高値であり、角膜上の沈着物はこのコレステロールによる変化であることを強く疑いました。以上より次に詳細な検査をお勧めしました。

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●右難治性角膜潰瘍
以前もとりあげましたが、角膜上皮とその下の基底膜接合不全を起こす病気です。しょぼしょぼの原因は、この潰瘍であることが分かりました。

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●左浅在性潰瘍
左目は、角膜縁部分に浅い潰瘍(↓の下で緑色に染まっている所)が発見されました。

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●副腎皮質亢進症
これも以前取り上げましたが、副腎から副腎皮質ホルモンが過剰に分泌される病気で、多くの原因が下垂体腫瘍です。下垂体にアプローチできませんので、副腎からの分泌を内服で抑える治療を行います。主たる症状は、多飲多尿、腹部膨満、皮膚の非薄化、呼吸速迫(ハァハア)などで、感染しやすくなるので膀胱炎を伴っていることが多くあります。

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臨床症状、超音波検査、血液生化学検査、尿検査⇒ホルモン測定で診断を行います。

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超音波検査では、副腎腫大以外に、前立腺嚢胞、胆嚢ポリープ、肝腫大が見つかりました。その後、ホルモン測定検査により下垂体性副腎皮質機能亢進症と診断されました。

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