猫の尿閉(血餅閉塞) [院長ブログ]
●ツキ ♂ 日本猫 4歳
猫の下部尿路疾患は、順に@突発性膀胱炎A尿石症B尿道栓子C尿路感染症があります。3番目の栓子の原因は、尿道に結晶(主にストルバイト)が閉塞することで尿が排出されなり。この状態を尿閉と呼び、時間経過により尿毒症を発生します。
通常の栓子形成は、ストルバイト(マグネシウムとCaの結晶)ですが、ツキちゃんの場合は、閉塞物の内容が血餅*でした。
*血餅とは?
血液中のフィブリン(繊維素)が血球と絡み合って沈殿したもの。
この血餅の原因は、どこかに出血があるために発生します。一番に考えられることは、膀胱炎による力みにより膀胱粘膜に圧がかかり亀裂が生じ出血が生じてしまうことが考えられます。
栓子を除去時、ECOで膀胱内の大きな血餅を確認しました。繰り返し閉塞する場合には膀胱切開による止血、会陰尿道瘻形成術を検討しましたが、幸いにも翌日に大きな塊が排出され、それ以降は止血剤により安定しています。
また、7日後のエコーでもたくさん存在した血餅が見られなくなりました。
このケースでは、通常のストルバイト溶解食および予防食は効果がありません。
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猫の角膜穿孔 [院長ブログ]
●たま 茶トラ 10歳 ♂
角膜潰瘍で他院にて処置していただいたが、目を離した隙にカラーが外れ、目に穴が開いてしまったと来院されました。
マルに囲まれた部分が穿孔創です。角膜が破れているため、涙が常にこぼれ落ちていました。その穴は、約3mmの円形で虹彩が癒着していました。既に片側は、外傷で失明した状況です、なんとしても治ってもらいたいと思います。
●結膜弁2週間後
結膜から移植弁を作成して、その穴を覆い縫合しました。
2週間後の経過は、幸い感染がなく、前房を形成することができ、視力も維持できていました。

前房が確保され、角膜浮腫も綺麗になりました!
まったく触らせてもらえなかったので、途中経過が観察できず、検査、処置には鎮静が必要になりました。角膜縁に出来た穴の為、瞬膜が邪魔をして縫合に難を要しました、もし出来が悪ければ次の手段をと不安を持ちながらでしたが、2週間後の結果にホットしたケースでした。
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7月のセミナー案内 [大和臨床研究会]
随分と暑い日が続きます。皆様に於かれましてはお変わりありませんか?
さて、前回と同じく麻酔セミナーですが、外気と同じく熱い気持ちで臨み、実りある受講にしたと思います。万障繰り合わせてご参加ください。
日 時 7月27日(日曜日)
場 所 ビューボート呉 4階
時 間 午後 10時〜15時
講 師 佐野先生(酪農学園大学)
参加費 無料
テーマ 生体モニターをいかに使いこなすか?
参加資格
今回はオープンセミナーで無料になっていますので、会員外の先生も遠慮なくどうぞ!多くの参加が予想されますので、定員になり次第締め切りさせていただきます。
セミナーはアットホームな雰囲気で楽しみながらご参加いただけます。会員資格は、一度でも参加されれば以降会員資格となりご案内をお送りします。年会費は不要ですので、お気軽にご連絡ください。皆で楽しく勉強しましょう!
大和臨床研究会事務局 0823-21-4175 あるいは「お問い合わせ」から





