犬の眼球突出 [院長ブログ]
●ルナ ♂ 1歳
他の犬とじゃれあっている際におかしくなったそうです。眼球が飛び出して既に3時間か経過しているので心配でした。ダメージが著しい場合は、目が元に戻っても、神経障害のために涙が出ない、瞬きできないなどのしょうじょうから、眼球を摘出するケースもあります。
●整復
早速、麻酔を施しました。
眼球を眼窩におさめ、第3眼瞼で圧迫を行いました。眼瞼切開を行わずにできたことは朗報です。
●7日後
腫れていた結膜が引き、眼球が左右対称になりました。
●とにもかくにも速やかに
眼に著しい外傷を受けていない単頭種の眼球飛出では、速やかに対応すれば、良好な経過をたどるのが普通です。今回は、3時間経過していたために、中程度の結膜腫脹と充血があり心配しました。14日後の経過では、視力は確保されていました。しかし、ドライアイが発生していたため、今後の経過観察と点眼が必要になります。
●30日後
ドライアイも回復し、術後に発生した基底膜障害も治癒し、無事に復活しました。
めでたし、めでたし。
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犬の巨大睾丸腫瘍 [院長ブログ]
●睾丸摘出 ゴンタ 15歳 ♂ ラブラドルレトリバー
「前から少し気になっていたが、今年になってやけに大きくなった!」「もう歳だから、このままで良いのでは?」とお話しいただきましたが、余りに睾丸が大きいため歩くたびにフラフラしている感があり、我々もゴンちゃんとは長い付き合いなので居たたまれず「術前検査をしっかり行い、優しい麻酔で管理しますのでご安心ください」と説得して手術をさせていただきました。
●ついでに脾臓摘出
術前身体検査、そして超音波検査で見つかった脾臓腫瘤も同時に切除しました。脾臓の腫瘍は、大きくなり過ぎると突然破裂して失血し、時には出血性ショックで死亡してしまいます。良い機会でしたので、積極的に手術させていただきました。
●14日後のすまし顔
傷は抜糸が必要ない手技を行ったため往診で傷のみの確認をさせていただきました。飼い主さんからは「以前より元気になって困る」と我々にとっては嬉しいお言葉を戴きました。
ゴンちゃんは、15歳とは思えぬ元気の良さです。睾丸、脾臓に腫瘍ができたことは、真摯に受け止め、これより「気・血・動」を意識し改善し、元気に長生きしていただきたいと思います。まずは、カビも生えないオヤツのジャーキーは止めましょう!
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猫の乳腺腫瘍!? [院長ブログ]
●「乳腺腫瘍?」 ハナ 日本猫 13歳 ♀
猫の乳腺腫瘍の8割は悪性と言われます。手術は、犬と異なり積極的に全乳腺を完全切除することが通例です。今回は、他院で乳腺腫瘍の手術を勧められ、迷いがあったためセカンドオピニオンとして来院されました。
確かに、乳腺は腫脹して、場所によっては粒々した箇所があります。しかし、どうも硬さと腫れ具合が腫瘍とは異なるので、子宮の異常を考慮して、超音波検査をお勧めしました。
●乳腺腫大
全体に腫大した各乳腺。
●超音波検査
膀胱前方に黒く抜けた円形の拡張した子宮が観察されました。
●腹腔鏡下卵巣子宮摘出術
超音波で異常が見つかったため、腹腔鏡で卵巣子宮摘出を行いました。
●摘出した子宮および卵巣
左右の子宮は大きく腫大し膿状の分泌液が貯留していました。
●術後
腹腔鏡を使用したため5mm、3カ所の切開で終われました。
術後の痛みも少なく、元気よく夕方にはお帰りいただきました。
抜糸後、徐々に乳腺の腫脹が軽減してきました。今回は、子宮の異常による乳腺の腫大と診断しました。しかし、今後定期的に乳腺の様子を観察していくつもりです。















