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2015年09月07日(月)
猫の心不全、動脈血栓塞栓症、リンパ腫 [News]
●ミーコ ♀ 猫
「突然後足が立たなくなり、機嫌が悪くなった!」と慌てて来院されました。身体検査では、起立不能、呼吸速迫、後肢冷感が顕著でした。動脈血栓塞栓症を疑い、股動脈の触診、心臓の超音波検査、胸部レントゲン撮影に移りました。
●血栓塞栓症
左心不全があるために血栓が大動脈に飛んで栓塞し、後躯(後足)麻痺になってしまったようです。緊急に血栓を溶解し、血液凝固抑制処置を行いました。
●リンパ腫
心臓検査の為に胸部レントゲン撮影を行うと、胸の中心部に塊状病変(矢印)が見つかりました、上記血栓処置を行って数日後には、全身のリンパ節が大きく腫れあがってきたため、リンパ腫と仮診断しました。数日後から生薬によるリンパ腫の治療も合せてスターとしました。
●両室(左右)心不全と胸水
超音波検査では、左右の心臓の著しい逆流と胸水が見られました。
●予後
一旦帰宅するも、5日後に再度閉塞が起こりました。同様の処置を行い、速やかに開通、しかし、昨日、急に呼吸が早くなったため、レントゲン撮影を行うと多量の胸水が発見されました。胸の両サイドにチューブを留置する緊急処置をおこないました。左右50mlづつ胸水が抜けました。
問題点が多い現在、予断を許さない状態ですので入院は継続中です、幸い食欲旺盛、2度目の閉塞した足も開通を維持、早く帰宅できることを願って看護していま(愛)。
11時37分