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犬の胃内異物 [News]
●ハナ Gシェパード 8歳 ♀
他院にて、肢のレントゲンを撮影した際に胃の中の異物が見つかりました。そして「様子をみたら便からでるかもしれない」と言われ、待機していたのですが、いつまで立っても出ないので内視鏡による摘出を希望して来院されました。
●レントゲン撮影
明らかに胃の中に菱形様の石を認めました。
先ずは、催吐剤(嘔吐を即す薬剤)により摘出を試みましたが叶わず。次に、内視鏡での摘出を計画しました。そして、困難であれば胃切開を行う準備と説明を行いました。
●消化管内視鏡
菱形の石ですので、取り出す際には、幅の短い辺を食道に対して直角に位置するように把持する計画を立てました。
バスケット鉗子の中に石を縦に落とし込むようにして捕獲、把持し、ゆっくりと優しく、胃の入り口である噴門部を通過させ、ゆっくりと食道を傷つけないように配慮しながら取り出しました。
●摘出した石
長期間胃の中に停留して居たのに係わらず、胃粘膜の損傷は見られませんでした。幸か不幸かそれが発見を遅らせた理由だと思われます。流石の胃酸でも石を溶かすことはできませんから、嘔吐を促しても石が出ない以上摘出を行うしかなく、内視鏡で摘出できたことが良かったです。
また、東洋医学的観点からは、術後の大きな瘢痕による気の流れの阻害が防げたことは、さらに良かったと言えます。
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猫の胃内異物 [News]
●ミーちゃん スコテッシュフォールド 3ヶ月 ♀ 1s
「帰宅してみると、餌の袋が千切れて散乱し、それ以降嘔吐が始まった」主訴で、胃内異物が疑われると他の先生からご依頼いただきました。
触診では、胃内異物を感じませんでした。また、紹介いただいた先生の撮影されたレントゲンでも異物はありません。嘔吐物に交じってフードの袋の破片がみられましたが、それにしても、やけに弱って不快な顔をしています。
まずは、点滴を行いました。その最中に嘔吐が一度見られ、その中に血液が混ざっていたので内視鏡で積極的に検査をすることに決めました。
●内視鏡検査
1sの体重なので、食道における内視鏡挿入には注意が必要です。早速、挿入すると食道内に餌の袋の断片を見つけました。そして、胃に進むと、、、、最終的に16個の断片が見つかりました。
●糜爛、出血
フードの袋の断片が短期(わずか12時間)に胃内に停滞しても重度な胃炎を起こすことが分かりました。通常、嘔吐によりこれらの小さな残骸は排出されるはずですが、噛み切った袋の断片が引っ掛かり排出されない状態になっていたのでした。
*映像説明:左に出血があり、全体に炎症が見られました。
●処置後
不快な胃内異物をすべて摘出したので、術後はとっても気持ちよく寝ることができます。明日は退院です!
標語;食事は、子猫の手の届かない所に置いておきましょう!