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高齢猫の根尖部膿瘍 [News]
●日本猫 ♀ 21歳 なな
数カ月前から右の鼻から膿が出ていました。原因は右犬歯の破損による感染と仮診断し、年齢が既に21歳でしたので瀬積極的な治療(麻酔による処置)をさけ、抗菌作用のある薬膳を処方しました、そして、良い感じに落ち着いていたのでした。
原因は、犬歯が歯肉縁で折れ歯根部が抜けずに残ったままになっており、その歯髄を通して根部に感染が発生し上方に位置する鼻道に通じてクシャミと膿汁を排泄する状態になっていたのでした。
しかし、先日「目が腫れている」主訴で来院されました。どうしても麻酔下で処置をしなければならない時がやってきました。
●血液検査
21歳、当然と言えば当然ですが、慢性腎不全所見が顕著にありました。数日間、食事と水を摂取していないことから、脱水が加わり尿毒症が悪化している様子です。
まずは、血管を確保して点滴を2日間行いました。そして、脱水が矯正されたところで、ドイツ振動機で相性の良い麻酔薬の選択とエネルギーをチャージして全身麻酔に臨みました。
●手術
右の犬歯、さらには後臼歯歯髄の感染から骨の浸食、壊死、広範囲にわたる膿の貯留がありました。
21歳、そして、重度の慢性腎不全ですので、短時間で麻酔を終わらすために、ハイスピードで処置を行いました。
察するところ、長期間にわたり相当に歯がうずいていたと思います。見えない部分ですので、定期的な検査の必要性を感じます。
一部開放して、粘膜を縫合しドレインを装着しました。
●翌日
元気よく、そして機嫌よく朝の出迎えがありました。
排液の為に縫合間隔を開けていますので、数日間は首に装着した食道カテーテルから流動食を与え、解放創が落ち着いたところで外す予定です。