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2016年01月16日(土)
犬の膝蓋骨外方脱臼 [News]
●メロ トイプードル 6カ月 ♀
主訴は、「足を何か気にしていたが、日に日に状態が悪化し、足をつかなくなった」でした。訴えの後ろ足を検査すると、膝蓋骨が正常の位置にないことが分かりました。
●膝蓋骨外方脱臼
患肢は加重ができない状態で、膝蓋骨(膝のお皿)が外方へ脱臼し屈曲したまま固定された状況です。小型犬では、先天的に膝蓋骨内方脱臼の発生が多いのですが、小型犬の外方脱臼は珍しいことです。
●正常像(縦)
大腿骨の溝の上にお皿が乗っているのが分かります。
●正常像(横)
正常では、大腿骨の前方にお皿が位置しています。
●異常像(縦)
膝の真ん中から外れて外側にお皿が位置しているのが分かります。
●異常像(横)
膝からお皿が外れているため、レントゲン上に見えません。
上の正常像と比較するとよく分かります。
●手術
手術目的は、内方、外方共に膝蓋骨が付着する大腿直筋と脛骨粗面におけるラインを真っ直ぐに整えることが中心になります。
●滑車溝の形成
重度の脱臼では、膝蓋骨が走るレールの溝が浅くなってるので、人工的に溝の形成を行いました。
●関節包の切除
外側に膝蓋骨が脱臼することで、大きく伸びきった内側関節包の一部切除を行い縫合しました。反対側の内側支帯は、縫合せず解放のままとしました。
●術後
3日間は、薬剤で術後の痛みをしっかり管理します。また、腫れを防止するために軽いギブスを装着し、2週間ほど固定行い軽い運動で過ごしてもらいます。
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12時33分