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2016年04月11日(月)
犬の前十字靭帯部分断裂と内方脱臼 [News]
●柴犬 6歳 ♂
「3ヶ月前から散歩は通常通りするが、後ろ肢を気にしている」と来院されました。身体検査では、軽度の肥満と左膝の若干の不安定感と膝蓋骨が内側へ脱臼する異常がありました。
●レントゲン写真
慢性経過故に無麻酔の触診で判断することが難しく、麻酔下で触診および負荷をかけたレントゲン撮影を行いました。前十字靭帯が断裂あるいは部分断裂の発生があると、脛骨の前方への滑り出しが生じ、関節包の形に変化が起こります。
患肢側が脛骨が前方へ僅かに滑り出し、関節内の脂肪の映像が変化しています。
●部分断裂した前十字靭帯
レントゲンで靭帯の異常を確認できたので手術を行いました。手術までの待機期間に減量をお願いしましたが、ほとんど達成できませんでした(笑)。関節胞を開放すると十字靭帯は完全断裂ではなく80%断裂しているのが分かりました。
●滑車溝形成
慢性炎症により生じた骨棘を除去して滑車溝の形成を行いました。
●関節外固定
関節を大量の生理食塩水で洗浄し、太い固定糸で脛骨粗面に開けた穴と種子骨を結びました。この固定が十字靭帯の代わりとなり脛骨の前方移動を抑制します。
●関節重層縫合と解放
内方へ引っ張られる力を削減するために関節周囲の組織を重ね縫いし、内側の関節包を開放し閉じました。
●術後
7日間はバンテージの固定をおこない、最低限8週間はリードを付けて短時間の散歩のみにします。その後、12週まで徐々に散歩を増やし、それ以降は従来の活動にもどしてもらいます。
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16時19分