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2017年11月09日(木)
犬の鼠経部嵌頓ヘルニア [News]
●ダックスフンド ♂ 12歳
「お腹の片側が膨らんで吐き気が止まらない。」と緊急で来院されました。明らかに鼠径部(股)が著しく腫れて異常を漂わせるに状態ありました。超音波検査では、皮下に腸管と液体貯留がみられました、触診での痛みはありません。緊急手術も想定して血液検査を合わせて行いました。
●緊急手術
突然の嘔吐、片側下腹部の著しい腫れ、超音波所見から、鼠径部の穴(鼠経輪)から臓器が飛び出して戻らなくなった状況を仮診断して緊急手術をお勧めしました。かかりつけの獣医さんが居らっしゃるので迷われたのですが、一刻も早く手術することを強くお勧めしました。
緊急手術が決まり早速取り掛かりました。最悪のイメージは、脱出した腸管が壊死し、破裂して腹膜炎を発症していることでした。幸い腸管は壊死を起こしていましたが、破れるまでには至っていませんでした。壊死部分を切除して縫合する必要がありました。
●術後
夜の緊急手術でしたが、終わったのが12時前、それから目が覚めるのに長時間を要しました。血液検査における肝臓、腎臓パネルは異常なし、手術時間は中程度。血圧、心電図所見は良好、しかし、喉頭反射が出て気管チューブが抜けるまでまでが大変でした。監視しながら飼い主さんと一緒にその時を待ちましたが朝方6時になりました。数年に一度このような経験しますが流石に応えます。
翌日、2日目と嘔吐が続き心配しましたが、3日目には見違えるように元気になりました、しっぽを振って迎えてくれる姿を見ると疲れが一気に吹っ飛びます。めでたしめでたし。
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05時02分