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2018年03月04日(日)
犬の大腿部の腫瘍 [News]
●ノア 16歳 ♂ シーズー
1年前は胸部の腫瘤でしたが、今回は大腿部内側でした。以前の腫病は理検査により扁平上皮癌であることが分かり警戒を要しました。
今回も類似した塊ですが見た目だけでは判断できません。そもそも大腿部の腫瘤も早めに切除をお勧めしていましたが、16歳であること、2度目の手術であることを理由に様子を見らたようです。この度、その腫瘍が大きくなり破裂して出血がみられ、ようやく切除の決心をされました。
●胸部レントゲン写真
正面、左右の側面、3枚のレントゲンを撮影しました。特に肺への転移像は見られません。
●大腿部腹側の腫瘍
ピンポン玉ほどの腫瘤が、今回はミカン大の大きさになり、中央部が裂けて出血が見られるようになりました。大腿部には皮膚の余裕がなく、出来るだけ切除範囲を制限することに注意をはらいました。過去に去勢手術をした片側の袋(⇒)を利用して、切除部位の隙間を埋める一助としました。
緊張感がかかっていますが、ストレスを開放する減張切開をすることなく縫合出来ました。
●耳道内腫瘤
アレルギーによる慢性炎症をお持ちです。
左側の耳介及び耳道は、7年前に全摘出術を行っているため状態は良好です。アレルギーの食事管理をお伝えしてありますが、なかなか指示通りに事が運ばす、反対の右側には多くの腫瘤が出来上がり、耳道を閉鎖するに至っていました。今回は、水平耳道が比較的健全であることで全耳道切除を選択せずに、電気メスによる腫瘤切除を行いました。
●術後
一緒に歯石除去などを行ったため3時間ほどの手術になりました。麻酔の覚醒、翌日の状態は良好です、痛みの麻薬管理を行いながら、3日間お預かりする予定です。そして、今度こそ減感作までとは行かなくとも、アレルギーの管理を本気で取り組んでいただきたいと思います。
●抜糸(10日目)
大きな腫瘍を切除したため皮膚に緊張がかかり、翌朝ペニスが飛び出してしまいました。すぐに包皮の先端部を縫合し対応しました。
本日、腫瘍を摘出した部位と併せて抜糸を行いましたが、縫合部もきれいで、ペニスの突出も治まり順調に経過しいます。めでたし、めでたし🌸
15時55分