広島県呉市「石崎動物病院」

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2020年06月06日(土)

急性膵炎と急性肝炎 [News]

●はな 9歳 ♀ マルチーズ
「数日前から嘔吐、何も食べず元気もない、そして水も飲まない」
主訴で来院されました。

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触診では上腹部の緊張と結膜充血があり
血液検査では、膵炎を疑う以下の所見あがりました。
*脱水10%
*CRP(急性炎症)の上昇 6.7(正常値<0.7)
*ALT(肝臓酵素)の上昇>1,000(正常値17-78)
*ALP(肝、胆道酵素の酵素)の上昇 472(正常値<254)
*リパーゼ(膵臓酵素)の上昇 393(正常値<30)
*白血球の軽度の上昇 19,740(正常値5,500−16,900)など

●周波数測定
病気の元に細菌が関わっているかどうかを見極めることが非常に重要です。
周波数測定の結果、膵臓および肝臓に2種類の細菌が関与していることが見つかりました。
飼主のおばあちゃんが一人暮らし故、管理ができないとのことから入院いただくことになりました。

●病原体
-Eikenella corrodens(エイケネラ菌)
グラム陰性の非芽胞形成通性嫌気性球桿菌。
口腔内や腸内に生息し、歯周病の原因菌の一つとみられています。
血行を介して多臓器へ移行し病気の元になります。

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-E.coli(大腸菌)
グラム陰性の桿菌で通性嫌気性菌。
通常大腸菌は無害だが、血行を介して腸管以外の臓器へ感染した場合に
症状を発します。

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●抗菌処置
一般的には抗生物質を使用しますが、当院では抗生物質が常在細菌を死滅させることを嫌い抗菌作用のある漢方薬を使用しています。その効能を周波数で測定して副作用の出現(嘔吐、下痢など)がないこと確認して処方します。

常在菌を抗生物質で死滅させてしまうと、抗生物質による耐性菌の出現が起こる、また正常細菌叢の一部として僅かに存在する真菌(カビ)の過剰増殖を招き細胞間のタイトジャンクションが壊れ、その後にリーキーガット(腸漏れ)を発生する原因になってしまいます。リーキーガットが発生すると自己免疫疾患、感染症が発生しやすくなります。

●入院9日目
食欲旺盛、元気有、体温、体重、心拍正常。

*CRPの正常化 6.7⇒<0.3
*ALTの低下 1,000⇒576
*ALPの正常化 472⇒258
*リパーゼの正常化 393⇒38


画像(330x251)・拡大画像(332x253)

大腸菌の関与が軽度に存在するため肝酵素がまだ上昇しています、
もう暫く漢方薬の治療を続けます。
明日退院予定です。

16時10分


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