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2012年10月23日(火)
猫の急性腎不全 [News]
●ピー 日本猫 ♀ 10歳
慢性腎不全と診断され、セカンドオピニオンを求めて来院されました。見るからに状況は深刻でした。嘔吐を繰り返し、虚脱した状態でしたので、尿毒症も疑い血液検査を行いました。
結果は尿毒症、原因を探るべく超音波検査へ進みました。
●超音波検査
左右の腎盂(尿が集まる受け皿)の著しい拡張と結石が見つかりました。尿管の拡張は見られなかったため、腎盂結石による閉塞、そして尿毒症に進展したことが考えられました。
●3日後
腎臓にカテーテルを固定して急性尿毒症を回避しました。初日の表情とは見違えて機嫌が良く、食事も取れるようになりました。
●レントゲン所見
造影検査を行うと右の腎臓が機能していないことが分かりました。腎臓切開手術を行うと少なからず腎臓の組織がダメージを受けます。最大で見積もっても全体の50%しか機能してない残された腎臓にメスを入れる訳ですから、できるだけダメージの少ない手術を行う必要があります。理想は腎盂切開による摘出です。
●手術
7日後に手術を行いました。
腎臓皮質の切開を考えていましたが、片方の腎臓しか機能していないので、避けたいアプローチでした。幸いにも腎盂切開を行い、カテーテル部分から洗浄を繰り返し結石を取り出すことに成功しました。
残念ながら尿管部分に結石の破片が詰まり、急遽尿管を一部切断して、新たに膀胱に移設することになりました。
術後は急性腎不全となりましたが、5日後の現在はほぼ正常に復しつつあります。
ピーちゃん本当にお疲れ様でした。心配しているお母さんのもとに一刻も早く帰宅できるように頑張りましょう!
13時54分