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2013年12月07日(土)
犬の門脈低形成 [News]
●16歳 ダックス ♀ チャチャ
そもそも、皮膚を痒がる主訴で来院いただきましたが、身体検査で小さな乳腺腫瘍が2か所見つかりました。そして、乳腺腫瘍の手術に合わせて、子宮卵巣を同時に摘出することにしました。
<下記写真>
中央部に卵巣動静脈を結紮したと思われる糸(矢印;↓)が見えます。左右共に糸が見つかりました、そして、子宮を探すも見つかりませんでした。つまり、飼い主さんのお話とは異なり、既に手術が行われていたことになります。
●肝臓生検
術前に超音波で肝臓を検査していました。その際、低エコー性な散発的な異常が見つかっていました。血液検査では肝臓酵素の異常はありませんでしたが、カメラ画像の異常があり、急ぎ飼い主さんの許可を得て、肝臓生検、胆汁培養を行うことにしました。
●培養結果
胆汁の培養結果は、陰性でした。慢性肝炎は感染性、非感染性分類があり、血液検査、超音波検査だけだは、肝臓の原因をつかむことはできず、上記の培養手技を行う必要があります。
●病理検査
乳腺腫瘍は、2ヶ所とも良性。肝臓は、原発性門脈低形成を疑う所見でした。門脈提携性とは、先天性疾患で、多くの小型犬で発見されます。病理学的には、門脈シャントとは鑑別ができませんが、全体の背景(チャチャの血液検査はほとんど正常値)を考慮して診断しました。
13時56分