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2014年08月05日(火)
猫の骨髄炎 [News]
●17歳 猫 ♀ ニャンコ
「顎に傷があり2ヵ月前から口の周りを気にする!?」主訴で来院されました。歯からの悪影響がもっとも考えられ、麻酔をかけてレントゲンなどの検査を行うことにしました。なにせ栄養状態の悪い、慢性腎不全持ちの17歳ですから、気合を十分に入れてから準備に臨みました。
●レントゲン撮影
骨髄の異常、骨膜の反応が見られます。この結果より、積極的にアプローチすることを決断しました。
●下顎の精査
左側の下顎の歪な表面と瘻管が見つかりました。慢性的な化膿巣が予想されます。
●骨融解
皮膚切開を勧めると、骨の融解箇所と融解の為の骨折が見つかりました。また、骨髄内の膿の存在が認められました。
●骨折片
融解により部分骨折した顎の骨を摘出しました。よほど痛かったことが想像され「顎を気にする」主訴は十分に頷けます。同時に細菌の培養を行いました。
●排液チューブの装着
顎に開いた数カ所の穴周辺をドリルで削り、洗浄を繰り返しました。最後に髄腔にチューブを挿入し閉鎖しました。
●術後及び感想
10日間の入院後、退院の運びとなりました。しばらくは、食道に装着したチューブで栄養補給を行います。
そもそも、骨髄炎までに至った歴史は、歯石から始まる歯肉炎がきっかけと思言われます、普段から提唱しています。「定期的な口腔内管理」の大切さを物語った例でした。
骨髄炎の原因菌は、培養の結果Pseudomonas aeruginosa(緑膿菌)でした。抗生剤を変更して治療を継続しました。
●1ヶ月後
食道チューブもカラーも外れ、痛みもなし。口からしっかりと食べれるようになりました。慢性腎不全がありますが、これより20歳を目標に頑張りましょう!
19時45分