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根管治療 [News]
●第4前臼歯の露髄
2年前に上顎の第4前臼歯冠の欠損を生じたそうです。犬ではこの部分が一番障害を受ける所です。最近、歯磨きを嫌がるようになったということで紹介されました。
●歯髄の洗浄、研磨
本来第4前臼歯には、3本の根があるのですが、内側の根は存在していませんでした。歯の根の先端までの長さを測定し、歯髄を段々と広げる操作を繰り返します。
●歯髄の消毒、充填
歯髄内を研磨後消毒を行います。次にガタパーチャ―という充填物質を注入します。
●レントゲン撮影
レントゲン撮影にて充填状況を確認します。
●エナメル修復
最後に、エナメルを修復して、歯石を除去して終了です。
●メッセージ
人間と比較して、動物の歯周病は放置され、それが進行して歯が抜けてしまいます。また、動物は歯が欠けて滲みる場合でも放置されていることがほとんどで、その露出した髄から感染が始まり、根の元に感染巣が作られ痛みを持ったまま過ごす日々が始まります。
早い段階でエナメル処置、歯髄処置を行い、末長く健康な歯を維持できるように気をつけて欲しいと思います。
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猫の疥癬症 [News]
●疥癬症
疥癬とは、皮膚に穴をあけて住み着く寄生虫です。感染経路は、猫と猫の接触からです。よって、外出する猫チャンは、可能性があるので、以下の点に注意してください。
特徴的なのは、耳の辺縁から症状が始まり、だんだんと皮膚が硬くなり、大きな皺ができてきます。また、かゆみが著しく、そのため自分で皮膚をかき壊し、出血することもしばしばです。私は、飼い主さんに説明するときには「メロンパン顔」になると伝えます。
●頭から全身に
この絵は頭が下側ですが、大きな皺が首にまで広がり、首の一部から出血を認めます。治療は、ダニを殺す薬を数回飲めば完治しますが、ひどくなりすぎる(悪液質)と死亡してしまうこともあります。治療が受けれない野良猫の場合は、悲しいことに最終的に死を迎えることになります。
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いつもの緊急手術/もっと早ければ・・・・。 [News]
●突然の虚脱
腹部を超音波検査したら出血と腫瘍らしきものが見えるということで、他院よりご紹介戴きました。確かに、お腹には巨大な塊らしきものと、腹水があると思いました。血液検査では、重度の貧血があり他の検査から考察して、突発の臓器破裂が疑われ、緊急で腹部切開手術を決断しました。
●案の定
開けてみると腹部一面は血液で覆われ、その中心に大きな人頭大の腫瘍が居座っています。そこらじゅうに癒着しているので、まずは癒着を剥がすことから始めました。
十二指腸と膵臓にも癒着していました。膵臓は慎重に剥がし、腸の一部は腫瘍と一緒に切除して腸をつなぐことにしました。幸い切除後の血液供給は良く、腸の色は正常で血圧もしっかりしてます。
●人頭大腫瘍
腫瘍は凄く大きく、こんなになる前に何故もっと早く見つけれなかったのかと悔やまれます。
●肝臓
この出血の大元は、この肝臓から発生した腫瘍からでした。上記の腫瘍と同時に肝臓を部分切除しました。
●覚醒
麻酔の覚めも意外に早く、手術中に血圧が下がることはありませんでした。心配なのは、術後の膵炎と重度の貧血と慢性肝炎と思われる肝臓です。ここまで重度なケースでは、手術をするかどうか、ためらわれますが、術後数年を楽しく生きるケースもあります。今回は、止血を行わなければ死亡してしまう状態でしたので手術を選択しました。
元気を取り戻し、美味しく食事を戴き、飼い主さんとの楽しい一時が過ごせれば幸いに思います。