広島県呉市「石崎動物病院」

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腫瘍の再発 [News]

●アール 10歳 Gレトリバー ♀

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「以前に腫瘍を取った所にまたできた!」と来院されました。
細胞診では、好酸球が沢山見られることから肥満細胞腫の可能性を疑いました。

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●再発
肥満細胞腫と仮診断していましたが、病理結果は高悪性度の繊維肉腫でした。鑑別のための特殊染色で肥満細胞腫は否定されました。前回の切除が平成21年11月、1cmの切除範囲を全周囲に行い、病理結果は非上皮系の悪性腫瘍、切除範囲は十分に確保されている報告でした。しかし、今回の結果から前回の腫瘍の再発であることが分かりました。

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●切除範囲
悪性度が高いので、腫瘍から3〜5cmを切除範囲に設定しました。深さも同じく切除するか、あるいは、皮下組織の筋膜まで切除しなければなりません。よって、大変広範囲で大がかりな手術になります。

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●皮膚弁
尾を切断し坐骨神経手前、肛門括約筋一部まで切除を行いました。激しい手術なので写真を出すのは控えました。この写真は、腫瘤切除後に大きく穴が開いた部分に切断した尾の皮膚を利用して修復したところです。(上が背中、真中が肛門です。)

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●切除腫瘤
腫瘍から全周約4cmの切除を行いました。
これから病理検査に出しますが、完全切除が成功し、再発が防げることを期待しています。

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有難う!金剛丸。そして、安らかに。 [News]

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震災では、発生翌日から仙台市で捜索に当たり、瓦礫で脚を怪我してもひるまず、海中も泳いで捜索にあたったそうです。帰宅後、その疲れが影響したのか体調を崩し、残念ながら急性肺炎で亡くなりました。優れた才能を持つ金剛の死は、国にとって大きな財産を失ったと同じです。東北では自衛隊始め、消防、警察、海上保安庁の皆様は、必死に献身的な支援活動を続けています。その中には、犬の金剛丸も人間のために必死に救援活動を行っていたという隠れた偉業を、我々は決して忘れてはならず、国民皆で感謝しなければならないことを気づいて戴きたいと思います。
有難う金剛丸、安らかに。

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続)突然の顔面腫脹、実は・・・・。 [News]

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●6歳 茶トラ ♂
突然、顔面が腫れてきたと来院されました。
誰が見ても分かる腫れです。突然となると、外傷による血腫、虫刺され、アレルギーなどが考えられますが・・・・。穿刺して調べると内容は大量の血液でした。凝固異常も考慮して検査を行いましたが異常はありません。
検査結果は、赤血球のみで異常な細胞は見当たりませんでした。外傷による皮下出血と想定し3日間の観察を行って戴くことにしました。

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●数日後、一旦縮小したが再び腫れてきたと言われるので、麻酔下で精密検査をすることにしました。
レントゲン撮影をすると、骨は下押し上げられ溶解している像が見えました。これは、まず腫瘍であることが考えられます。

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●検査切開
次に検査のために腫瘍の一部を切除することにしました。壊された骨を除去すると大きな腫瘍があらわになったので、切計画に切り替えました。大きさは、約5cm×3cmで、鼻腔内にぎっしりと詰まり、鼻腔構造は全て破壊されていました。

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●術後
目で見える範囲の全ての腫瘍を取り去り、廃液チューブを二本装着しました。

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●腫瘍の一部
多くは吸引切除したので、これは一部です。病理検査へ送り、結果を待ちたいと思います。内容から良性腫瘍ではありません。腫瘍の病理結果から飼い主さんと今後の事をじっくりと考えながら、放射線療法も含めて、トラちゃんにとって最良の方法を選択していきたいと思います。
●術後3日目
術後は食欲も旺盛で、元気だそうです。


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●脱走
術後4日目に顔のチューブをつけたまま脱走してしまいました。帰ってきたのが2週間後、しかし、チューブも傷口も無事でした。皆様ご心配をおかけしました。

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●抜糸7日後
みるみる内に、鼻の一部が腫れてきました。
食欲、元気に変わりはありません。

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●抜糸から三週間後
全体が腫れて、呼吸がしにくい状態におち入り、熟睡できない夜が続きます。また、くしゃみと共に鼻血が飛び出す様に変化してきました。匂いが嗅げないので食欲が落ちてきています。飼い主さんと話し合って、リンパ腫に感受性の高い放射線療法を山口大学でお願いすることにしました。

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★放射線療法2回目
CT検査では、鼻腔内全域、そして腎臓への転移が見つかりました。僅か2回で、腫瘤は80%消退し、呼吸も楽になり鼻血も止まり、夜もゆっくり眠ることができるようになりました。

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★放射線療法5回目
腫瘍の膨らみは消え、CTでも腫瘍が見られないことを確認できました。残念ながら腎臓への転移部分がまだ消えていません。放射線療法は、体に悪いことは分かっていますが、この治療を行わなければ、著しいスピードの腫瘍増殖により呼吸困難が進行し、今日まで生存できなかったかもしれません。今後、放射線の副作用による白内障、腎不全が発生することも考えられますが、元気になって喜んでいらっやる飼い主さんと接し、正しい選択であったと思います。

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