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猫の前頭洞蓄膿 [News]
●オネエちゃん、♀、16歳、茶トラ
左の鼻から膿性鼻汁が続き一旦おさまりましたが、続いて左側頭頂部に穴が開き、そして目から膿の排出がみられるようになりました。
●レントゲン写真
本来空気が入り黒く映し出される部位である前頭洞が白く変化しています。また骨の一部が隆起しているのが分かりますか???
●手術
頭頂部を切開し周辺をさぐると、前頭洞に2ヶ所の穴(鼻の骨)が発見されました。その骨を一部分切除すると中から膿が盛り上がって飛び出してくるのが分かりました。
約1pの縦の穴をあけて膿を優しく掻き出し、洗浄をくりかえしました。この膿を培養検査へ提出して菌の培養、感受性を調べます。
●術後
洗浄チューブを頭頂部に設置しました。
毎日、このチューブからの洗浄を暫く繰り返します。
●1ヶ月後
以前のレントゲン写真と比較すると前頭洞が黒く抜けて、空気が入っている正常の映像になりました。
●考察
蓄膿の原因は、過去に風邪を引き鼻腔、副鼻腔における粘膜の炎症が継続し、2次的に細菌が感染してしまった可能性が考えられます。慢性の鼻汁を排出している場合には、レントゲン検査を行い、蓄膿の存在を確かめる必要があります.
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腎臓腫瘍の摘出 [News]
●ヨークシャ、♀、こまめ、5歳
主訴は定期的な嘔吐。発症時期はいつからは分からないそうですが、頻繁に吐くので太れないとのことで来院されたそうです。そして、超音波検査と針で吸引生検したところ腫瘍と診断され、その獣医さんの紹介で来院されました。
●超音波検査
超音波も腎臓の血行状態を観察するために欠かせない検査です。悪性と思われる大きな腫瘤が見えます。
●レントゲン造影
腎臓摘出時には、絶対に行わなければならない検査の一つです。片側の腎臓の状態を観察し、しっかりと腎臓が働いていることを検査しておかないと、摘出後に腎不全がやってきます。こまめは幸いにして両方の腎臓が機能していました。
●摘出術
大きく腫大しているため切開創は大きくなりました。腎臓の動静脈、尿管を結紮、切断してから腎臓を取り出しました。
●摘出腎
腎臓の見た目は、手前の正常と思われる部分と後ろの大きく腫大した8割を占める腫瘍に侵されていました。
病理検査結果は、腎癌。脈管浸潤はなく転移性は高くないと返答があり、悪くとも嬉しい内容でした。