広島県呉市「石崎動物病院」

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泌尿器科

腎結石と腎膿瘍、その後・・・・。 [News]

ハッピーのその後・・・・。
前回に紹介しました、腎臓に巨大な結石が鎮座し、腎膿瘍を併発してしまったハッピーです。5日間ほど食欲も出て、見違える程元気なっていましましたが、その後、状況が悪化し、娘さんの誕生日を待って、残念ながら亡くなってしまいました・・・・。

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●左腎
カテーテル挿入により大量の排膿を促した左側の腎臓です。髄質はほとんどなくなり、腎盂に結石が詰まっているのがわかります。この閉塞状態では、尿は出ません。

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●左腎臓結石
上記の石を取り出したものです。小さい方が腎盂に閉塞していたものです。

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●右腎
腎臓一杯に結石が広がり、皮質もすごく薄くなっていました。切開すると同時に膿が飛び出しました。

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●右腎臓結石
腎臓と同じ形をした巨大な結石です。たぶん、リン酸マグネシュウム結石でしょうから、もう少し早い段階で出会い、食事療法で溶解、あるいは、腎機能がやられる前に手術で結石を摘出していたら・・・と思うと残念でなりません。今回、飼い主さんのご厚意でハッピーの病気を皆さんへ伝え、同じ思いをしないで欲しいと許可をいただきました。
謹んでお悔やみ申し上げます。合掌


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腎臓結石と腎膿瘍 [News]

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●腎臓結石
以前に腎臓結石の診断がついていたそうです。7日前にお電話いただきましたが、本日ようやくお会いすることができました。一目で悪い状態は分かりました。既に体温低下、血圧低下。急ぎショックの治療を試みることにしました。あまりに状態が悪く、ここに来るまでに検査・治療を随分と行われていたので、積極的な治療ではなく、いかに状況を楽にしてあげることを重点に、そして、とりあえず3日間治療して反応を見ることに決まりました。

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幸い翌日より血圧が回復し、体温も僅かに上昇してきました。この2枚のレントゲン写真は、治療2日目に撮影しました、巨大な腎臓結石が左右に、そして、左には小さな結石がさらに3つ見つかりました。

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●著しい膀胱炎と膿尿
消極的な対症療法と思っていましたが、お許しを得て超音波検査に進みました。超音波検査で膀胱内に異常を感じ、膀胱内へカテーテルを挿入しました。すると、尿の最後の部分で膿の排出を確認、著しい膀胱内感染です!急ぎ、多量の生理食塩水で徹底洗浄を行いました。

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●膿尿
洗浄を繰り返したせいか、翌日はとても元気になったそうです。喜んだのもつかの間、2日目には再び状況が悪くなり、血圧低下、嘔吐が出現しました。

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●多量の腎膿瘍
消極的な方針でしたが、本日、もう一度超音波検査をさせていただく事にしました。前回の検査は結石に阻まれて確認できませんでしたが、驚くことに、腎臓内一部には、膿を思わせる沈殿物が多量に見られました。本来の腎臓の映像はここには見当たりません。

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●拡張した尿管
さらに、左から真中にかけて拡張した尿管が見られます。中には結石らしき物(下に向けて影を引く)も見られます。この石が尿管を閉鎖している可能性があります。すぐにでも処置してさしあげたいのですが、余りに状態が悪すぎます。思い切って開腹して手術処置を行うか・・・・なかなか決心がつきません。

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●腎臓内カテーテル
静脈性造影を行うも、腎臓への造影剤の分布はなし。当然、尿管、膀胱へ流れる様子もないので、状況が把握できません。しかし、明らかに腎機能が障害されていることは分かります。上記のとおり余りに状況が悪いので、局所麻酔と麻薬、軽い鎮静剤を併用駆使して、超音波を見ながらカテーテルを腎臓内へ留置しました。カテーテルの留置と同時に膿が噴き出すように溢れだしました。

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●採取した膿
腎臓内に溜まった著しい膿の一部です。こんな状態が長期に続いていたことを思うと可愛そうでなりません。なんとか一時的にでも、食欲を回復させ、安定期につなげたいと願います。

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●術後管理
腎臓に留置したカテーテルを閉鎖回路(滅菌装置)につなぎ排膿と尿の採取を連続して行います。

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●処置後3日目
今日は2回吐きましたが、夕方から顔つきが良く感じます。恐る恐る、ササミを半生にして少し与えると「パクッ」っと。「ハッピーが食べた!」と皆で大喜び。帰宅前に再度少なめに与えると「ガッガツ」と食らいつきました。今日は、来院されてから一番元気に感じた日であり、食欲も逞しく、とっても嬉しい日になりました。「ハッピー頑張って元気になるぞ〜!」 続く・・・・。


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