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2015年10月08日(木)
猫の消化管リンパ腫と狭窄 [News]
●きき 猫Mix 10歳 ♂
慢性腎不全で来院され、治療後安定しましたが、その後定期的な嘔吐を繰り返すため、他の原因を探すべく追加検査を行うことになりました。嘔吐の性質は、一気に大量の胃液を排出するため、閉塞を考慮しバリウム検査を行いました。
●バリウム検査
バリウムの通過延長が見らるものの、直腸まで排出されていることを確認しました。しかし、変わらず症状が継続するため、内視鏡による検査を行いました。
●内視鏡検査
胃、十二指腸、空腸における肉眼所見は非常に綺麗で異常をみとめませんでした。念のために病理検査提出用の組織を採取しました。
●再バリウム検査
病理検査は通常7〜10日の時間を要します。症状は内科処置を継続するも変化がないため、再度バリウムを飲んでもらう事にしました。
●試験的開腹
バリウム検査の結果に異常が見られるため、試験的に開腹させていただくことにしました。病変は僅か5mmの狭窄で、部位は回腸部分でした。
●結果
病理検査は未だ届いていません、回腸部分は狭窄を考えています、なぜならば、狭窄部位における肉眼的炎症が見当たらないからです。術後の状態は良く、嘔吐は全く無くなりました。リンパ腫の診断が下れば、抗癌剤は使用せず、環境改善と、漢方薬による治療を開始する予定です。ちなみに、白血病ウイルスは陰性でした。
09時06分