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2016年08月12日(金)
犬の食事アレルギー(下痢と皮膚炎) [News]
●ブルドック 6歳 ♂
飼い主さんとは20年ぶりの再会でした。ワンちゃんの主訴は、「慢性下痢。下痢が2か月止まらず、痩せてだんだんと弱ってしまうので心配でしょうがない。そして歩けない。」と以前のご縁を辿って再び来院されました。
●検査
昔話に花を咲かせながら、検査を勧めました。
検便では特に異常なし。
身体検査では、下痢による腹痛、脱水はなく、皮膚の炎症が著しいことが気になりました。この炎症は、小さなときからずーと継続しているとのことでした。
耳介の炎症
指間の炎症
下顎の炎症
●治療(断食)
まずは、長期に続く下痢に対して断食をお願いしました。しかし、これを飼い主さんに理解してもらうことが、それはそれは大変なのことなのです。皆さん思うことは、@断食したら死んでしまうのではないかA痩せたら可哀そうB室内に一緒にいるので見るに忍びないなどなど・・・・。いつもお伝えする言葉は、「野生では毎日規則正しく食事をいただけることはなく、7日でも10日でも獲物がとれずさ迷い歩くことは日常なのです、しかし、彼らは目をぎらつかせて生き生きと生きているではないですか!?」「野生では病気になったら、何も食べず巣穴で横になって回復を待つのです」「人間と同じく飽食の時代は、つい最近の話であって、戦前は人間も動物も皆質素な食事をしていたのです。我々も動物も飢餓の遺伝子は備わっていても、飽食の遺伝子は持ち合わせていないのです、だからまずは断食して治癒促進、免疫増強、デトックス(毒だし)を行いましょう!」さらには「俳優の榎木孝明さんは30日間の断食(正確には不食)をされたけど、体調が改善され元気に生きてますよ〜!」と。
●結果
「不憫で可哀そう〜」と涙を流しながらも、何とか私の言いつけを守っていただきました、3日目までは下痢が続きましたが、7日目からは軟便に変化し、8日目から食事を徐々に開始し、ほぼ良便(正常便)に変化しました。飼い主さんにとってはその便がお宝の様に見えたと思います。
便が固まると同時に、皮膚の赤みが引き痒みが治まり、軽やかに歩けるようにりました。この理由は、食事アレルギーにより皮膚の痒みが治まり、指の炎症が低減することで痛みが和らぎ歩けるようになったからでした。
こんなに劇的に良くなったのに飼い主さんは、「食べたくてしょうがない子なので、絶食は2度としたくない」と言われます(笑)。
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06時39分