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2017年11月30日(木)
猫の化膿(縫い針の誤飲) [News]
●キーちゃん 6歳 ♀ 雑種
「吐血?、シーツに血が付く」という主訴で初診で来院いただきました。
拝見する前から異臭を放ち、咬まれたことによる化膿を想像していました。詳細は、喉の皮膚に3×5p程の壊死を生じて小さな破れた穴から臭い分泌物が排泄されていました。衰弱(重度の肝障害:黄疸と脱水)が激しいことと、皮膚は既に壊死(腐敗)を起こしていたので無麻酔で切除を行いました。切除を進めると、光った異物がこちらに向かって飛び出していることに気づきました。「ん?」と思いながら引き抜くと糸付きの縫い針が収穫されたのでした。その状況を見ていた飼い主さんも吃驚で「いつの間に食べたのでしょうか?」「どうして針を飲んだのでしょうか?」と答えようのない質問が続きました。
とにもかくにも、麻酔をかけないと詳細が分からない状態でありますが、肝障害を発生しています。まずはエネルギー充填、その後、傷を本格的にデブライド(清浄処置)して、内視鏡で食道の状態を内側から確認する予定をご説明し、そして、すぐに栄養補給用の鼻カテーテルを設置しました。
●内視鏡検査と胃カテーテルの設置(10日目)
頚部の状態は複雑で針による食道の損傷を確かめることができません。まずは、食道の状態を把握するために内視鏡を使用しました。内視鏡で見る限り食道は綺麗に目えます、2日前にスタッから「鼻カテーテル〜スープを与えると苦しそうにする」と報告を受けていましたので、とりあえず食道を保護する予定で胃にカテーテルを設置することにしました。
●頚部清浄
頚部をクリーニングすると、穴の大きさが5×10pに広がりました。3ヶ所に排液ドレーンを設置して、損傷部を縫い縮めました。
4本の排液チューブとできる限りの傷の縮小化を図りました。
●その後
喉の再縫合を行いました。時々喉に何か詰まるかのように苦しそうな発作が続いていましたが、麻酔処置以降は、その症状は全くなくなり、日に日に機嫌が良くなっています。(嬉)
退院間近です!
10時15分