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2018年09月11日(火)
犬の股関節脱臼 [News]
●もも 8歳 トイプードル ♀
8日前から足を着かなくなった主訴で来院されました。
一人遊び中に「キャイ〜ン」と鳴きそれから足を着けなくなったが、
だんだんと着地できるようになってきたそうです。
よくあるのが「膝の十字靭帯断裂」です、診察前に周波数測定を行うと靭帯障害がピックアップされました。ターゲットを膝に絞って触診するも、膝の靭帯断裂の様相はありません?、身体検査を進めると大腿骨大転子と座骨が並んで位置しているのが分かり、さらに足の長さを比較すると明らかに右が短縮していました。
次に右股関節脱臼に絞ってレントゲンを測定しました。
●レントゲン撮影
触診通り、右股関節脱臼でした!
右側(青矢印)は寛骨臼から頭側へ骨頭が外れていることが分かります、左側は正常関節です。
「周波数測定は、間違っていたのか!?」と疑問が沸きましたが、股関節の関節面にも円靭帯が付いているので、その靭帯損傷を反映した結果であったことに安堵、確信しました。
●非観血的脱臼整復
非観血的整復法とは?外科処置を行わずに、脱臼を整復する方法です。今回は8日経過していたために、飼い主さんに可能性が低いことを伝えトライしました。
飼い主さん曰く「切るのは嫌だから、何とか入れてくれ〜!」。
私も切らずに終わらせたいのは山々ですが・・・。
3回ほどのトライで無事に関節カプセルに整復されました、その後は、骨頭内部に存在する組織を追い出すために大腿骨頭を押えながら関節を200回ほど動かしバンテージで固定しました。
●処置後
整復後にレントゲン撮影を行い確認します。
バンテージで足が隠れているためレントゲンの結果が出るまでは心配です、しっかり股関節が整復されている状態を確認して(→黄色)、
「おっしゃー!、成功、成功〜🎶」と喜び胸をなでおろします。
その後は、1週間後に再度レントゲン撮影を行い確認、そして、約2週間固定を続けバンテージ除去後はリハビリを開始します。
17時46分