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2018年12月08日(土)
犬の膀胱結石と腎盂腎炎 [News]
●ショコラ チワワ 8歳 ♀
「時々、血や泥っとしたものが尿に混ざる」主訴でした。
血液検査では、白血球、CRP(急性炎症の指標)増加、
肝酵素の軽度増加がありました。
子宮が残っている(不妊手術未)ことで、
中年以降に多い子宮蓄膿症も視野に入れてレントゲンと超音波検査へ進みました。
●レントゲン写真
膀胱に白く丸く塊状に見えるのが結石です。
相当な数が予想されます。
●超音波所見(尿管)
通常は、超音波では見えない尿管が著しく拡張(>1cm)していました。
●超音波所見(卵巣)
通常見られない卵巣の異常が見られました。
●超音波所見(腎盂、尿管)
拡大した尿管(緑⇒)に続き、拡張した腎盂(黄色⇒】が見られました。
●超音波所見(膀胱)
通常の膀胱所見が見当たらないません、これは、レントゲン所見同様に相当な結石が存在している可能性があります。
●手術
余りにも結石が多いため、腹腔鏡を使用せずに通常の正中切開し、続いて膀胱切開を行いました。膀胱は慢性膀胱炎の影響でかなりの肥厚がみられました。尿管部分がはっきりと分かるぐらいに拡張、肥厚していました(黄色⇒)。
子宮も異常が有ったため、併せて摘出しました。
●摘出した膀胱結石
「な、な、な、なんと!」
膀胱内にぎっしりと詰まった結石です。
今回のケースは、結石の充満で膀胱内にスベースがなくなり圧が高まり、2次的に尿管が拡張し、続いて腎盂が拡張してしまいました。
●予後
現在は尿毒症改善のために血管からの点滴を継続中です。
ボロボロになった泌尿器系と感染がどこまで正常に戻るかが鍵ですが、13日目でほぼ正常の数値に復しました。まだまだ油断ができませんが、周波数療法と漢方薬を併せて治療を進めていきます。
15時45分