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2019年02月21日(木)
犬の鼻腔狭窄、軟口蓋過長矯正術 [News]
●ゆきち 雄 1歳 フレンチブルドック
鼻の短い犬種である短頭種では、生まれつき鼻の穴が狭く、喉ちんこ※が長いことが多くあります。またその狭い鼻の穴の影響で2次的に喉ちんこが引っ張られて年々伸長し、大きないびきをあげながら気道を塞ぎ呼吸するこすら困難になるケースがあります。
「ゆきち」ちゃんは、初診3か月の身体検査で発見し、手術をお勧めしていました。今回、体力が備わり待ちわびた手術を実施した次第です。
※喉ちんこ=軟口蓋:口の中の天井部分(硬口蓋)から後ろにある柔らかい部分
●軟口蓋切除
大きく垂れ下がった喉ちんこを切除します。切りすぎてしまうと元に戻せませんので慎重に切除範囲を決める必要があります。
●切除後
ラウンドマークは扁桃腺の下1/3と言いますが、なかなか狭い空間のなかで合わせることは難しく、長年の感覚を使って行います。
●術前
鼻の穴が狭窄しているのが分かります。
●術後
手術により穴が大きく開口したのが分かります。
鼻の短い犬種では、いびきをかくのが当たり前と思われている飼い主さんが沢山います。しかし、その状態を放置しておくと年齢を重ねるごとに悪化するケースが多くあります。そして、重症な場合には、小嚢反転、喉頭麻痺と言う厄介な状況までに進展することがあります。
いびきがなくとも特に鼻の穴が狭い場合には、その後の喉ちんこ伸長を防止するために早めの鼻腔拡大手術をお勧めしています!
●飼い主さんの感想
『いびきが無くなりました!』
『急に無くなると寂しいです。』???
治療家と異なり飼い主さんの心境は複雑ですね〜♪。
09時17分