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2019年04月06日(土)
犬の鼠経ヘルニア [News]
●チワワ らん ♀ 7歳
「鼠経ヘルニア」の手術をご紹介いただきました。
現在7歳ですが、既に1歳半から症状があったそうです。
そして、徐々にヘルニア嚢が大きくなっていき、どれぐらい様子をみれば良いか迷い6年あまりが経過してしまいました。そして、いよいよ手術をしなければ・・・と。
●鼠経ヘルニア
鼠経ヘルニアとは、また(股)の鼠蹊部から腹腔内内容物が飛び出した状態を言います。
●手術
ヘルニアの中身は、大網(お腹の中にある脂肪の網)と子宮でした。大網あるいは腸、時に膀胱は当たり前に鼠経ヘルニアの内容となります、しかし、卵巣、子宮までが出てきたのは初の経験でした。
先ず、子宮体部、頸管が飛び出しそれにつられて卵巣が引きずり出されたことが想像されました。右の卵巣は鼠径部からアプローチできましたが、左が対処できないために、腹部正中切開を加えました。
卵巣(赤⇒)が遠位の鼠経部まで飛び出るとなると、卵巣を固定している靭帯が相当伸びる必要があります。
白矢印は、腹部内の脂肪の網である大網でした。
●縫合
鼠蹊部の切開だけで終了できるならばと思っていましたが、片側の卵巣が引き出せませんでした、そして、正中切開を行い、右卵巣を切除して鼠蹊部の大網を引き込み整復して縫合を行いました。
●3日目
傷の状態観察と痛み止めシールをはがすために来院いただきました。
徐々に元気になっている様子に安心しました。
体重が少し減りましたので、これを機会に大幅減少をお勧めしています。
19時59分