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2020年12月28日(月)
腹腔鏡手術 18周年 [News]
●腹腔鏡下手術
腹腔鏡を始めて18年が経過しました。
そもそもの切っ掛けは血液検査で肝臓の酵素が上昇する動物を探るために
負担の少ない腹腔鏡の肝臓生検で原因を追究したかったのが始まりでした。
スタート当時はアメリカの大学の専門セミナーへ出席したり
鹿児島大学医学部の研修セミナーなどへ参加しました。
また当時は日本で最初に腹腔鏡に取り組んだ
鳥取大学外科学教室の教授陣(南、岡本先生)に来訪いただき
直々にご指導いただいたことも懐かしく思えます。
長年肝臓生検を行った結果は飼い主さんの費用対効果を考察すると
それほど有効ではありませんでした。
現在は肝臓疾患の詳細はバイオレゾナンス測定を用いているため、
腹腔鏡による肝臓生検検査を行うことはまずありませんが、
避妊手術はリクエストが多く継続して行っています。
●腹腔鏡のメリット
1)傷が小さい
術後に動物が傷口をなめ壊したとしても、
内臓が飛び出す様な事態は発生しない。
2)痛みが少ない
避妊手術では通常、5oの穴3箇所ですから
翌日には走ることも可能です。
3)術後の回復が早い
傷が小さく、痛みも極端に少ないため
回復が早いです。
4)卵巣の取り残しがない
避妊手術における胸の深い犬種、大型犬では卵巣が引き出しにくいケースが多く
時に取り残しが発生しますが、
腹腔鏡ではテレビモニターを見ながら卵巣を強く引っ張ることがないので
痛みが無く安心確実です。
上記の内容から動物への負担が総体的に少ないのが腹腔鏡外科の特徴です。
15時56分