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2022年01月22日(土)
猫の腹壁破裂 [News]
●ビー 2歳 スコテッシュ ♂
他医院の先生からの紹介症例でした。
主訴は「3階から転落後、お腹が膨らんでいる」でした。
飼主さんは食欲はある程度有るので
打ち身程度の軽い気持ちでしたが
我々はお腹の大きさに吃驚!
これは放っておいてはいけません。
破裂の穴を触診で確認、手術の段取りに進みました。
血液検査では僅かな肝酵素と炎症の数値増加。
貧血、腎不全を表す兆候はありませんでした。
実際に毛刈りをしてみると
広範囲の皮下出血と
広範囲の腹腔内臓器の脱出がわかりました。
●手術1
腹壁は8p長の破裂がありましたが、
幸いにも腹腔内臓器には肉眼的損傷はありませんでした。
●手術2
臓器が入りこんだ皮下のスペースが20p×15pありました。
吸引装置を装着して閉腹しました。
●術後1日目
皮下のスペースに溜まった血液成分が
背中の陰圧バッグにより回収されています。
●抜糸
術後は順調で元気あり、食欲は落ちることはありませんでした。
通常通り抜糸の日を迎え嬉しいです。
肝臓、膀胱破裂がなく幸いでした。
当然落ちないように気を付けなければなりません、
もっと体重が軽ければ破裂は防げたかもしれません。
次に転落したらと想定して減量に励みましょう!
先ずは、めでたしめでたし。
●新たにわかったこと
初診時での「目のうるおい」の原因はヘルペスウイルス
であることが分かりました。
その元の原因は「腸漏れ」になります。
小腸、大腸を調べると思った通りの障害がありました、フードに含まれる小麦と農薬により腸が傷ついて、そこからウイルスの侵入を招いたことが考えられます。
次回から
@腸漏れ脳漏れ⇒A病原体除去の治療を始めます。
「未病で防ぐ、病気の予防」
12時11分