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2009年08月06日(木)
膀胱鏡(ぼうこうきょう)使用症例の詳細 [News]
●尿に血が混じるといる主訴で来院されました。
超音波とレントゲン写真で尖った感じの結石が膀胱内に確認されました。尿検査の結晶検出から、食事療法では溶解することができなタイプと分かり、外科的アプローチを決定しました。
●手術室へ移動する前、硬膜外麻酔を行い痛みを管理します。そして、臍の上方に5mm切開を加え、カメラを挿入し、次に、ペニスの側方に約1.5cmの切開創を加えます。(膀胱鏡を使用しない場合には、膀胱を腹腔から外に出すので、通常の皮膚切開創は約5cmになります。)
●臍の横に開けた5mmの穴からカメラを挿入し、膀胱の位置を確認します。そして、ペニス横の穴から鉗子を挿入し、膀胱を把持します。鉗子穴を少し大きくし膀胱を少しひきだし、膀胱壁と腹壁を縫合固定します。
●膀胱に5mmの切開を加え、膀胱内を観察します。
「あった、あった!」レントゲン、超音波で確認済みの例の結石が見つかりました。
こんな、トゲトゲであれば、膀胱粘膜もダメージがあるはずです。
●結石をカメラ付き把持鉗子で捕獲し、膀胱より取り出します。
●その後、膀胱内を一周して、小さな結石が残っていないか観察、検査します。
「あった、あった、ここにもおったぞー!」
●同じくカメラ付き把持鉗子で、小さな結石も残らず採取、除去します。
●結石を取り終わったら、膀胱内と尿道移行部を観察します。(ここによく、結石が集まる)慢性膀胱炎の影響で、荒れた膀胱内粘膜が見えます。
●膀胱を元に戻し閉腹した後、臍の横の穴から、カメラでお腹全体と術後の出血を観察します。こちら、肝臓と胃が見えてます。
●「とったドー!」
無事に以下の結石が除去され、切開創が小さく、ダメージが少ないので、その日の夕方には帰宅となりました。目出度し、目出度し。
●膀胱結石は、出血、膀胱炎を併発することが多く、血尿の症状だけで、膀胱炎を決めつけずに、レントゲン、超音波を用いて、膀胱、腎臓と併せて検査する必要があります。
尿が「赤い」「出血が混ざる」時には、速やかにご来院ください。
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18時58分