広島県呉市「石崎動物病院」

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2009年08月12日(水)

腸重責!(腸の中のできもの) [News]

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●メイ ♀ 11歳 マルチーズ
4日前から食欲がなく、フラフラしているとの話でした。
血液検査では、血液量は正常範囲ですが、以前からの血液データーでは、貧血が疑われました。血液を引きのばし、赤血球の形態を観察すると、再生像が盛んにみられるので、他の原因を除外した結果、どこかで、持続した出血がある?ことが予想されました。

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●身体検査では、痛みも無く、腹部触診にて異常は感じられませんでしたが、病歴と検査より追加の超音波検査を行いました。

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上下共に腸重積に伴なう多層構造、塊状病変と思われる高エコー所見が観察されました。

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●手術が決まりました!
腸の超音波検査から手術を行う決定をしました。
また、身体検査で雑音が聴取されませんでしたが、手術前に心臓のレントゲン検査、続いて心臓の超音波検査を行いました。(老齢のケースは、手術前にできるだけ検査させていただいています。)すると、左の弁(僧帽弁)に逆流があることが分かりました。前尖(前側の弁)には、大きな粘液変性が目立ちます。

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●この検査により、術前の麻酔薬の選択、そして、術後の処方が変わりますので、老齢であれば、どなたも必須項目としてご依頼いただいたいと思うところです。

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●手術開始。
腸に腸が重なった重積状態で発見されました。腸を部分的に切断し、縫合したところです。次に、切開創から、リンパ節、その他臓器を観察しましたが、肉眼的には、異常はありませんでした。(一安心)

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●重積部分を引きのばした写真です。中央部分に腸管内腫瘤が発見されました。どうやら、この重積は、この腫瘤が原因のようです。

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●4日間何も口にしていませんでしたが、翌日から食欲が出て、顔色も良くなってきました。3ヶ月前から、だんだんと痩せてきていて、手術前数日は、食事を取れず、薄々と状況が悪いとに気づいていた飼い主さんでしたが、なかなか病院に連れいけなかったことを悔やみ、そして、ほぼあきらめ、覚悟を決めて悲しみに暮れていたのですが・・・。
しかし、3日後にはしゃぎ回るメイちゃんと対面して、手術立ち会いの時に流した涙とは違う、喜びの涙を流しながら感動の再会となりました!思わず我々スタッフも皆幸せになりました!

●病理診断結果
組織の診断結果は、良性の平滑筋腫でした。浸潤増殖などの悪性所見は、観察されず、切除範囲も完全でした。「良性より、転移、再発は無し」との結果に、一同、ビックスマイルでした!11歳のメイちゃんですが、これからは、心不全の進行を出来るだけ抑えて、長生きしてもらいたいと思います。


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10時18分


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