広島県呉市「石崎動物病院」

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2010年08月03日(火)

難治性口内炎と貧血 [News]

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●オリーブ、ミニチュアダックスフンド、5歳、メス
今年の1月から「涎(よだれ)」が治らないと三原から来院されました。大人しくとっても良い子ですが、涎が止まらず、気の毒な難治性口内炎を疑う所見でした。

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●血液塗抹所見
血液検査では、貧血が発見されました。1月からの検査を拝見すると徐々に貧血が進み、当方で調べた時には20%(通常37%)になっていました。体が貧血再生能力があるかどうかを採取した一滴の血液を使って検査します。この所見で青く見えるのが再生(若い)赤血球です。治療3日後のですが、再生能力が復活してきたのが分かります。

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●骨髄所見
採取した段階から危惧していましたが、赤血球の大元になる赤芽球が見当たりません。「う〜ん。大丈夫か!?」

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●著しい口内炎
歯石はまったくありませんが、見るからに口腔内全域が炎症を起こし、膿が溜まり、粘膜が固くなっています。よくこの著しい痛みのある状態で食事がとれるものだと驚きます。


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●口腔粘膜採取
麻酔がかけれるぎりぎりの状況でしたので、今を逃す訳にはいきません。飼い主さんにお願いして全身麻酔をかけ、唇の一部を切除し病理検査へ、そして骨髄検査を同時に行いました。この写真は、固くなった唇の一部です。

●治療開始
病理の結果を待つと約7日間かかります。かなり際どい状況なので、試験的に治療を開始しました。現在治療後、約10日目ですが、ヨダレが止まり、ゆっくりですが血液量も増加しつつあります。治療反応から、自己免疫性口内炎および自己免疫性貧血と位置付けました。


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15時45分


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