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2011年04月12日(火)
猫の口内炎 [News]
●難治性口内炎
皆さんが悩まれる病気の一つに猫の難治性口内炎があります。歯に歯石が堆積することで、過剰な免疫反応が起こり口内炎、そしてエナメル、象牙質まで侵食してしまう病気です。このケチャちゃん(年齢不明)の場合は、手術までの一時期(2日間)ステロイドを投与したので、炎症がずいぶん治まって見えます。
●治療
炎症を抑制するためにステロイド投与も一つの考えですが、長期投与となると感染症、糖尿病、肝臓病などのリスクが高まります。また、このケースでは、ほとんどの歯の頸部が侵食され痛みを伴っています。
この犬歯の部分を注目ください。実は過剰な免疫反応で歯が侵食され、頸の部分で折れ、その上を歯肉が覆ってしまっています。一見歯はなさそうですが、レントゲンを撮影すると根が残っているのがわかります。
●残根処置1
根がのこっているといつまでも炎症が継続するので、レントゲンで残根歯を確認し、全て取り除かなければなりません。
●残根処置2
案の定、犬歯の上を切開してみるとたくさんの残渣と膿が出てきました。
●犬歯の残根
ほとんどの根は溶けて崩れていましたが、この根尖部が残っていました。
●後臼歯
歯肉を大きく剥がして、歯の根を残すことなく全て抜歯します。このように大がかりな手技を行わないと、細い根尖部は残ってしまうことになります。
●縫合
上顎の全ての歯をきれいに完全除去し、炎症のある歯肉部分を切除してから縫合します。同じく、下顎でも同様の手技を行いました。
●まとめ
猫の難治性口内炎を治療する一番の方法は抜歯です。抜歯と言ってもレントゲンで全ての残根を確認し、取り残すことなく仕上げる必要があります。一見、炎症が著しくなくとも、歯が吸収されているケースでは、食事の際にかなりの痛みを伴います。人間でも、歯肉が下がっているだけでしみるのですから、歯髄がでていればそそれは、間違いなく痛いのです。
常日頃から口の中(奥まで)観察する習慣を身に着け、赤い歯肉をみつけたら、早めに検査にお越しください。
ちなみに、ケチャちゃんは、術後に痛みがなくなり、痛みを気にするこなくおいしく食事をいただけるようになりました。良かった、良かった!
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09時24分