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2012年01月17日(火)
猫の鼻腔内腫瘍(鼻腔腺癌) [News]
●ぎん ♀ 14歳 アメリカンショートヘアー
マイコプラズマによる血液疾患が落ち着いて1ヶ月後、「鼻がつまった感じ・・・」と来院されました。触診すると片側に腫れを感じました。検査と処置を兼ねて麻酔を行いました。
●手術
腫れの部分を切開してみると、鼻の先端から後部まで前頭洞にぎっちりと腫瘍が詰まっていました。また、骨が一部溶解し、特に左側は腹側の鼻道の溶解が著しくありました。
●鼻腔腺癌
細胞の顔の通り、低悪性の腺癌でした。人間であれば重粒子線の治療を行うところですが、動物ではそれは適わいませんので、外科手術が一番の適応となります。転移は比較的まれで、今回の様に腫瘍が大きくなり周辺組織を圧迫、破壊することが問題です。
●術後10日目
抜糸が終わったばかりの銀ちゃんです。機嫌がよく鼻が開通したので、食欲も旺盛になりました。腫瘍の完全切除はできていませんが、生活の質は明らかに向上しています。これより免疫を増強して、この癌の克服に向けて頑張りましょう!
●その後
手術して3か月が経過しました。再び腫れが見られますが、元気はあります。再度の手術も検討していますが、高齢で慢性腎不全を持っていますので、慎重に検討していきたいと思います。3か月は、人間で言えば手術後1年が経過したことになります。これからも無理せず頑張りましょー!
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11時28分