News
2013年07月14日(日)
犬の胆嚢粘液嚢腫の破裂 [News]
●Dax 12歳 あん ♀
主訴は二日前からの嘔吐と食欲不振でした。
身体検査では、肥満、乳腺腫瘍、乳汁分泌、陰部腫脹、結膜充血、黄疸、著しい歯石などがありました。
血液検査では、著しい黄疸、肝酵素の上昇、白血球増加、電解質異常、重度の脱水が引っ掛かり、膵炎、肝−胆道系疾患を調べるために超音波検査を行いした。
まずは、輸液で脱水を矯正した後に急ぎ開腹手術と決めました。
●破裂した胆嚢と粘液嚢腫
開腹するとまずは濃い血様の腹水とコーヒーゼリー状の破片が目に飛び込みました。超音波検査と腹水の検査から、この状況を想定していましたが、粘液嚢腫の破裂をこの瞬間に確信しました。そして、胆嚢の部位をのぞくと、多くの出血をと胆嚢の形をしたコーヒーゼリーの塊を認めました。破裂した胆嚢と肝臓の付着部を剥離して、総胆管の開通を確認して摘出しました。
そして、徹底的に腹腔内を洗浄し、ドレインを装着して終了しました。
●胆嚢早期摘出の勧め
胆嚢粘液嚢腫が進行すると今回の様な破裂を起こし、胆汁性腹膜炎を発生してしまいます。胆汁性腹膜炎を発生すると生存率が一気に低下します。
超音波検査の段階で胆嚢粘液嚢腫を認めたならば早期に摘出することを是非とも思います。早期であれば全身状態は良好で、命がけで摘出することはありませんので・・・・。
”キューイを見つけたら早期に収穫を、コーヒーゼリーは見たくない!”
関連タグ :
15時31分