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2013年07月08日(月)
犬の皮膚型リンパ腫 [News]
●べべ ♀ 15歳 ビーグル
半年前から口の中が赤く、食べるのが遅いとの主訴でした。確かに歯石沈着の程度に比べて、歯肉、粘膜の炎症が顕著であることを認めました。他には、皮膚と肛門の潰瘍状病変も認めました。
●皮膚病変
●組織検査
早速、口腔粘膜と皮膚の組織検査を行いました。結果は共にリンパ腫でした。「皮膚型リンパ腫」とは、皮膚にできるリンパ腫ですが、口腔粘膜タイプが皮膚タイプと比較して生存期間が4倍あると言われます。残念ながらべべは、皮膚にも粘膜にもリンパ腫が存在しました。
●治療
皮膚型リンパ腫の治療は抗癌剤を使用するのが通例ですが、飼い主さんの希望はできるだけ抗癌剤を使用したくないとのことで、免疫増強療法を選択されました。確かに抗癌剤の全身投与は、腫瘍を叩きつつも、自己も同様に傷つける方法です。理想は、腫瘍組織のみをピンポイントで攻撃できれば良いのですが・・・いつもながら全身性に広がる腫瘍では、難しい選択を迫られることになります。
08時56分