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2013年08月30日(金)
犬の甲状腺癌 [News]
●メイ ビーグル ♀ 13歳
軽度のアレルギーと甲状腺機能亢進症で治療中でしたが、今回は、「喉の下が腫れてきた!」とご連絡いただきました。
●頚部腹側の腫大
超音波検査と同時に組織検査を行った際に、既に甲状腺癌と診断がついていました。甲状腺癌は、血管が豊富で、浸潤性が強いため切除がしばしば困難と言われます。周辺組織を巻き込んでないことを祈って手術をおこないました。
●甲状腺癌とリンパ節
左が付属リンパ節、右が大きく腫大化した右甲状腺癌です。
頸動脈からの分離に時間を要しましたが、周辺組織を巻き込むことが少なくカプセルごと切除できました。付属する頚部リンパ節の腫脹があったため同時に切除しました。
●術後
翌日から通常通り食欲があり安心しました。3日間は入院いただく予定です。そして、これから免疫を増強して転移を防ぐことが新たなチャレンジになります。
●朗報
病理検査の結果は、腫瘤は被覆化されており腫瘍細胞の脈管浸潤はなく摘出は完全でした。また、腫脹したリンパ節に腫瘍細胞の転移、浸潤はありませんでした。朗報ですが、甲状腺癌は一般に増殖が速く気管、食道、咽頭へ浸潤傾向があり、遠隔転移することが比較的多い腫瘍と言われます。
06時26分