広島県呉市「石崎動物病院」

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2013年09月12日(木)

猫の口腔内疾患 その1 [News]

●口腔内疾患
猫の代表的な口腔内疾患は、口内炎です。
今回の主訴は「食べたいけれども食べれない、食べると口を痛がる仕草をする」でした。口腔内の詳細を検査したくとも口を開けることにひどく抵抗するため、検査と処置を含めて麻酔をかけさせていただくことにしました。

●歯肉腫脹
主訴と抵抗感から口内炎と予想をしていましたが、口内炎、口峡炎共に存在しませんでした。歳の割に歯石もほとんどなく綺麗で歯の動揺も見られませんでした。
しかし、右の上顎犬歯部における軽度の腫脹と歯肉の一部の凹みが観察されました。

画像(330x247)・拡大画像(640x480)

そこで、レントゲン写真を撮影をしてみると.....。
歯槽骨が溶解し、歪な象牙質、黒いスペースが見えました。
この写真から膿瘍と歯肉縁下の歯石堆積を疑いました。

画像(236x330)・拡大画像(458x640)

●抜歯および処置
抜歯した犬歯です。
外に出ている部分には、ほとんど歯石がみられないのですが、歯肉縁下には多量の歯石と膿が付着、堆積していました。歯肉を切開剥離し、歯槽骨の一部を切削し、洗浄を繰り返しました。膿が著しいため、縫合は時期をずらすことにしました。

画像(330x247)・拡大画像(640x480)

●その他の疾患
口が痛くて長期に渡り食べれず痩せているのかと思いきや、食べれなくなったのはつい最近のことだそうです。怒りっぽい性格と著しい削痩状況から甲状腺ホルモンの測定をお勧めしました。予想通り甲状腺ホルモンレベルが高く、甲状腺機能亢進症と診断できましたが、治療用の食事は好きではなく、また薬も飲まされない状況では、せっかく診断が下っても悩ましい問題が残ります。

16時39分


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