広島県呉市「石崎動物病院」

動物に優しく思いやりのある診療をモットーに

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2014年03月17日(月)

猫の呼吸困難(炎症性肺炎) [News]

●マロ 日本猫 10歳  ♂
「食欲がなく、尿が少ない」主訴で来院されました。聴診で肺に湿性ラッセル音が聴取されたので、レントゲン撮影を行いました。そのレントゲンでは、肺野全体に及ぶ肺炎像が発見されました。

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この像から感染性肺炎、非感染性肺炎を疑い、次の検査である気管支洗浄をお勧めしました。

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●気管洗浄液
麻酔をかけて気管内を洗浄し、材料を採取しました。此の作業は、犯人を眼で確かめるために必要検査です、リスクはありますが、病状を確実に把握する有効な手段となります。

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採取した気管洗浄液です。此の材料で培養、細胞診、遺伝子検査などを行い、原因を追究します。証拠なしに抗生剤やステロイドを投与することは避けなければなりません。

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*抗生剤投与について
人間で大きな問題になっている耐性菌は、医療関係者の漠然とした使用により大きな社会問題が生じています。本当に抗生剤が必要な時に、短期間、高容量を使用し、耐性菌(抗生剤の効かない菌)の発現を抑えなければなりません。乱用は、人類/動物の死活問題に発展してしまいます。故に使用する側は、肝に銘じて適切に使用しなければなりません。化膿したら抗生物質、熱があれば抗生剤、咳が出れば抗生剤、出血したら抗生剤と考えるのは生存の危機となります。

●治療5日後
食欲はありませんが、呼吸状態が随分落ち着きました。確認のレントゲンを撮影すると、初日の間質性肺炎像がほぼ綺麗に改善していることが分かりました。

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著しい改善は見られましたが、油断はできません。しばらく入院いただいて、精査させていただきます。

17時22分


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