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予想以上にに深手でした。 [News]
●シャム 1歳 雄
今朝血だらけで帰ってきたそうです。
慌てて来院され、応急的に止血、消毒、抗生剤を投与し午後の緊急手術に無理やり組み込みました。飼い主のおばあちゃんも何とかしなければ思ったのでしょう深く切断された血だらけの足にバンドエードが一枚貼付けてありました。
●深い切傷
血液検査で異常が無いことを確認し、麻酔に入りました。飼い主さんは毛の生えた状態でしかみていませんので、皮膚を縫えば終わる程度に認識していたと思いますが、毛刈りをすすめ良く観察すると、皮膚、筋膜、筋肉、腱、神経と断裂していました。交通事故、喧嘩ではなく、鋭い例えばトタンの様な物に引っかかり切れてしまったことが考えられます。
●接合
さらに、洗浄を繰り返し、顕微鏡を用いて注意深く状況を観察しました。切断されていた4本の腱、神経、筋膜と慎重に相手を捜し、縫合を行いました。そして、骨にそわせて2本のドレインを装着しました。
●術後
何事もなったように閉じられていますが、ずいぶんと苦労をしました。
排液がみられなくなったところで、ドレインを外します。
●固定
腱を縫合しているので、足先を伸ばして欲しくありません。バンテージを装着し案定を保ちました。神経がいかに回復するかが問題ですが、前向きに期経過を観察したいと思っています。
この度は、受傷後に帰ってきたから良かったものの、飼い主さんに発見されなければ、動脈からの出血が止まらず、生死にかかわっていた出来事でした。
まずは、お疲れさまでした。
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あれ?単なる直腸脱?? [News]
●直超脱
直超脱とは、直腸が肛門から脱出することを言います。慢性下痢が続きつねに腹圧がたかまると飛び出すことがあります。しかし、この直腸脱の場合、いつもと異なりました。肛門から直腸が脱出するのが通常ですが、肛門は直腸の横に位置しています。つまりこの腸は肛門とは別の場所から飛び出していたのでした・・・・?
●整復術
まずは、一方の肛門を切開した後に、脱出している肛門を切除しました。その後、括約筋を解放したまま周辺組織と肛門を縫合し、廃液用のドレインチューブを装着しました。長期間上記のまま放置されていたせいか、やせ細っていますが、食欲はすごくありますので、まだまだ頑張れると思います。少し肛門の形は変わりますが、少々がまんしてください。
●病理検査
半年前から癌ができたと思い、もう年だからと放置していたそうです。たしかに飼い主さんが言われれように通常の直腸ではありません、しかし、長期に飛び出していたために、この様な変化が生じたことも考えられます。病理検査の結果を待ちたいと思います。
ところで、此の直腸脱はどうして横から飛び出していたのか・・・?たぶん、一度肛門が裂け側方に移動し、その裂けた傷が治ってしまったため、肛門は正常位置にあるが、便はその横に飛び出した腸から排出されていたことになります。なんとも初めての経験で、整復に頭をひねりました。事情はミーちゃん(14歳)のみが知ることですので、後ほどよく話を聞いてみたいと思います(笑)。現在は、食欲が安定し、数日後の退院に向けて頑張っています。 もう一花咲かそうぜ!ミーちゃん♪
●病理結果
結果は中悪性度の平滑筋肉腫でした。平滑筋とは子宮、膣、消化管などに分布する筋肉のことで、その筋肉の異常増殖により発生します。悪性度が低い場合には転移の心配はありませんが、中程度であると再発に注意が必要となります。幸い組織的に完全切除がなされ、脈管への侵襲像が認められないので転移の可能性は低いとの報告でした。