広島県呉市「石崎動物病院」

動物に優しく思いやりのある診療をモットーに

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軟部組織肉腫(遅れた判断) [News]

●ラブラドル ♀ 12歳 ラブ

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4月の後半に「咳」の症状で来院されました。その際の身体検査で左前足先に小さな出来物を発見しました。我々の仕事は、確固たる証拠がない限り、疑ってかかることを重視し、見た目だけで決して判断してはいけないことを厳守しなければなりません。この写真は、5か月後の手術前の写真ですから随分と大きくなっていますが、、私が発見した当時は、可愛く小さなものでした。検査、切除を薦めましたが、飼い主さんにとっては、見た目はきれいだし、小さな塊なので「イボ程度」に考えて、切除することは到底考えられませんでした。

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●思いきって切除
ここまで大きくすると(上記)腫瘤部分を切除しても周辺からの皮膚が足りず、また、切除後に皮膚移植にしたとしても動物の性格、稼働しやすい部分であることから、指ごと落とすことが適切であると判断しました。確かに指は残すに越したことはありませんが、人間ほどの不自由はありません。

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●病理結果
結果は低悪性度の軟部組織肉腫でした。腫瘤は完全切除がなされ、予後は良好であるとの報告でした。

以前も同じことを書いていますが、見た目だけで腫瘤を決して判断してはならず、必ず組織検査をおこなって、速やかに小さなうちに切除してしまうことが大切です。
そして、繰り返しますが、切除してからの今後の生活改善を行わなければなりません。


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とったどー! [News]

●ランラン トイ・プードル 4歳
「桃の種を食べたがお腹を切らなければダメか?」とお電話がありました。

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お話を伺うと「掛かり付けの動物病院では、内視鏡が無いので胃を切開して取り出さなければならないと言われるが何とかならんか!?」との内容でした。その為、島根県から台風の最中、来院されることになりました。

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出た!桃の種!?

●超音波検査
触診で小腸、大腸を検査するも、桃の種らしきものは感じられません。次に超音波検査へ進み、胃の中を検査しました。すると桃らしき映像が見られ、胃の中に存在することの確信を深めました。確実に食べたことを再度確認して内視鏡検査へ進みました。

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●消化管内視鏡1
胃カメラでおなじみの消化管内視鏡を使用して、胃の中をのぞきました。すると胃の出口である幽門部に「種らき物」が居座っているのが分かりました。
胃カメラにバスケット状になった鉗子を挿入して、種をそのバスケット鉗子の中に何度かの角度調整をしながら誘い込み、しっかりと把持しながら牽引します。


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●消化管内視鏡2
桃の種を飲んだ以上、出すことができるのは道理ですが、種は縦と横で長さに違いがあります。鉗子で把持する時にはできるだけ縦に位置させなければなりません。ほど良い角度で把持できましたが、それでも、胃の出口である噴門部で苦労がありました。梅干しが胃を通過して外に出た瞬間、思わず「とつたどー!」と喜びの声が上がりました。
再度、カメラを挿入して胃壁の被害状況を確認します。所々に出血痕が確認されたので、胃粘膜を保護する薬を投与して終了しました。

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●不幸中の幸い
梅干しの種であれば既に小腸へ流れこんでいたと思いますが、桃の種は一回り大きいので小腸へ流こむことができず、今回の内視鏡での処置が可能でした。お腹を切ることなく、釣りあげれたことは幸いでした。

よって、翌日から普通に食事を開始することが可能になります。
遠方より来ていただいた甲斐がありました。
めでたし、めでたし。


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角膜潰瘍 [News]

●角膜潰瘍
眼の表面に位置する角膜に傷が付くことを「角膜潰瘍」と言います。症状は「涙が出る、目が赤くなる、目をこする、まぶしそうにする、目ヤニがでるなど」です。

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角膜の傷を検査するために損傷部の染色を行います。染色液で黄緑色に染まった部分が潰瘍で、浅い広がった範囲のもの、深く狭い範囲のものなどがあり、詳細は暗室で拡大しながら観察します。また、深さを見るためには、スリットランプを使用します。

<原因>
外部損傷によるものが最も多いのですが、眼瞼にできた腫瘤、逆まつ毛などでも傷がつきます。

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7日後、傷は無くなりました!

<治療>
感染を防止する抗生物質、角膜の再生を促す薬、痛みをとる薬が処方され、約7日間で治癒します。角膜を刺激するものが排除されなければ、いつまでも潰瘍は続きますので原因除去が必須です。また、再発性の潰瘍(難治性角膜潰瘍)では、角膜切開を行う必要があります。

上記の症状を注意深く観察し、異常があれば速やかに!

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