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肛門部の腫瘍、再発。 [News]
●ミー 13歳 ♂ ペルシャ
昨年(約1年前)に直腸にできた平滑筋肉で来院し、切除した内容を過去のホームページ「あれ?単なる直腸脱???」で紹介しましたが皆さん憶えていますか?
この度、再来院となりました。飼い主さんは、何かまたできたとは思っていたそうですが、色々と所要で病院へ足を運ぶことができずにいたそうです。私が、拝見した時には、以前とまではいきませんが、同じく大きな塊になっていました。「ガーン」とショックを受けましたが、なんとかしなければなりません。
●片側直腸切除
胸部のレントゲン、腸骨下リンパ節の大きさを超音波で確認して手術を始めました。
直腸全体を引き抜くことも考えましたが、入り口部分に近く腫瘍の深さが浅いことから、片側の直腸を切除することにしました。
●切除部位
完全切除の為、原則通り腫瘍から数センチの組織で切断しました。病理結果は依然と同じく平滑筋肉腫(悪性)でした。組織上でも、完全切除がなされていると報告がありました。
●術後
術後暫くは、腸の突出がありましたが、日に日に治まり、良い便を自力で排出することも確認できました。飼い主さんの条件は「自力で良い便ができること」でしたので、これで帰宅ができます。
●約束
ミーちゃんも既に13歳、心臓に逆流もあります。次回は、小さな病変で直ぐに病院へ駆けつけていただくことを約束して帰宅になりました。
ミーちゃん元気でね〜♪たまには見せてね!
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ハムスターの断脚 [News]
●ハムスター 3歳 リボン ♀
右後ろ脚にできた腫瘍に最近気づかれたそうですが、既に巨大化していました。足を落とすことをお勧めしましたが、麻酔のリスクをお話しすると、なかなか踏み切れずに検討の日々が続きました。
しかし、数日もすると腫瘍部分を自らかじり、大量出血で意識消失状態で来院されました。もう迷っている段階ではないので、脚をかじらないように保護して、快復を願って7日後に手術の予約を入れました。
●ハムスターの麻酔
当院では、ハムスターの麻酔は、先ず酸素化を十分に行い、それから、ガス麻酔(セボフルレン)吸引で行います。消毒の為に人間と同じ手順で行いますが、心電図、麻酔モニター、酸素飽和度メーターなどを装着できないので、麻酔管理は呼吸状況の観察が主になります。よって、術創部分を覆う消毒布は、透明なシートを使用しなければなりません。
●術後
亡くなったように見えますが、まさに今、無事に手術が終わったところです。手術中に呼吸が止まることなく、また動くこともなく終わり皆でホットする瞬間です。
かなり大きな腫瘍でした。この段階まで飼い主さんが気づかなかったのには問題がありました。ハムスターは、3歳ともなると癌年齢です。普段からよく観察して、肥満を防ぎ、できるだけ安全な食事を与えなければなりません。
●術後3日目
飼い主さんの第一声は「とっても元気になりましたー!」嬉しい響きです。一時は失血で死にそうだったことを思うと、驚くほどに元気になっています。
無事に手術が終わり、元気な姿をみると何とも幸せな気持ちになります。
バンザーイ!
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耳の悪性腫瘍(遅れた判断) [News]
●三毛猫 16歳 ♀
「2年前に、他の猫に耳の先端を噛まれて傷になり、その部分を気にして引っ掻き続け耳が無くなってしまった」との主訴でした。1年前から病院に通うが、年齢的に手術ができないと言われ、昨日来院されました。
●溶解した耳介
飼い主さんは、外傷からこの状況になってしまったと思われていましたが、外傷がいくら進行しても、耳を溶かしてしまうことは決してありません。
傷は、溶解している組織と増殖している組織が見られます。見た目では判断してはいけませんが、稟告の歴史と傷の状況から扁平上皮癌を最も疑いました。
★この度、激しい写真を掲載したことをお詫び申し上げます。
●細胞診
細胞は、たくさん取れませんでしたが、扁平上皮というより線維肉腫を疑います。悪性所見はあります。
●今後の計画
耳介が溶け去り、さらに奥の耳道に浸潤波及している状況です。そして、慢性腎不全を持ち、中等度の脱水があります。確かに麻酔をかけるには危険を伴いますが、このまま腐った状況を放置する訳にはいきません。飼い主さんと十分に話し合い、万全を期して処置を行うことにしました。
●数日後の処置
慢性腎不全の管理を行い、数日前から脱水をとって麻酔をかけて@胸のレントゲンA耳の炭酸ガス処置B凍結処置C術後の食欲不振を考慮して胃チューブ装着を行いました。
●切除軟骨
レーザーで切除した耳道の軟骨です。軟骨以外の耳の組織の9割は、無くなっていました、
●翌日
見た目は、初日と変わらなく見えますが、かなり綺麗になっています。腫瘍組織は凍結処置により破壊していますので、多くは壊死して脱落します。
ともかく、第一段階終了です。明日は、退院です。
耳からの持続出血がなくなり、来院された時より元気になった気がします。腫瘍を完全に除去できるかどうかこの段階では分かりませんが、除去できた折
には、皮膚弁による縫合を行いたいのですが・・・・。