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猫の鼻腔内腫瘍(鼻腔腺癌) [News]
●ぎん ♀ 14歳 アメリカンショートヘアー
マイコプラズマによる血液疾患が落ち着いて1ヶ月後、「鼻がつまった感じ・・・」と来院されました。触診すると片側に腫れを感じました。検査と処置を兼ねて麻酔を行いました。
●手術
腫れの部分を切開してみると、鼻の先端から後部まで前頭洞にぎっちりと腫瘍が詰まっていました。また、骨が一部溶解し、特に左側は腹側の鼻道の溶解が著しくありました。
●鼻腔腺癌
細胞の顔の通り、低悪性の腺癌でした。人間であれば重粒子線の治療を行うところですが、動物ではそれは適わいませんので、外科手術が一番の適応となります。転移は比較的まれで、今回の様に腫瘍が大きくなり周辺組織を圧迫、破壊することが問題です。
●術後10日目
抜糸が終わったばかりの銀ちゃんです。機嫌がよく鼻が開通したので、食欲も旺盛になりました。腫瘍の完全切除はできていませんが、生活の質は明らかに向上しています。これより免疫を増強して、この癌の克服に向けて頑張りましょう!
●その後
手術して3か月が経過しました。再び腫れが見られますが、元気はあります。再度の手術も検討していますが、高齢で慢性腎不全を持っていますので、慎重に検討していきたいと思います。3か月は、人間で言えば手術後1年が経過したことになります。これからも無理せず頑張りましょー!
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股関節形成不全と骨頭壊死 [News]
●ポメ 歳 ♂
ホームドクターでレントゲン撮影し「様子を見ましょう!」と言われ、長期に渡り様子を見たが変化が無く、最近は足を上げる時間も長くなったとのことで、ご紹介で来院されました。
●レントゲン写真
左右の股関節の状態を観察すると、大腿骨骨頭が受け側(寛骨臼)に入っているのですが、骨頭の位置の違いが分かります。向かって右側は入りが浅く、さらに骨頭部分の一部に黒く抜けが見えます。この状態は、股関節形成不全と骨頭壊死も疑いがあることを考慮する必要があります。
痛みが継続することから、手術で大腿骨頭を切断する計画を立てました。
●術後
摘出した大腿骨の頭部分です。このひび割れは、関節軟骨の骨折の剥離骨折の可能性も考えられます。病理検査を待ちたいと思います。
●術後直後
硬膜外麻酔、術中、術後と麻薬による痛みの管理を行いました。翌日から、食欲旺盛で痛みも軽減され穏やかな顔つきになりました。3日後には退院予定です。
●病理結果
骨頭組織の皮質領域の一部において、変性/壊死巣が観察され、これら病巣部には線維細胞の増生や血管新生が認めらレッグペルセス病と診断されました。レッグ・ペルセス病とは、大腿骨骨頭の血流障害によって発生する骨と骨髄の壊死を特徴とする疾患であり、循環障害に分類されます。動物では1歳未満の小型犬に多いと言われます。