広島県呉市「石崎動物病院」

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院長ブログ

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猫の紐状異物 [院長ブログ]

●雑種 4歳 ♀
「内視鏡で異物を取って欲しい」のリクエストで来院されました。ハムを包む紐を飲み、一部は嘔吐で出たが残りがまだ存在するとのことでした。翌日に、レントゲンで異物らしくものを確認しました、しかし、気かかりな点は「腸が集まっている像」でした。「腸の集塊」とは、紐状の異物を飲んだ際に起こる状況で、消化管に入り込んだ紐が引っ掛かり、その張力により腸がアコーデオンの様に重なってしまう状態で、放置すると腸の血行障害、断裂が生じます。

●内視鏡処置
心配しながら、まずは内視鏡で胃内にアプローチしました。飼い主さんの言われる通り、胃のTV画面には網らしき物を認めました、大型鉗子で引っ張るも抵抗感があり、まったく動く様子がありません、無理に引っ張れば裂傷を生じる可能性があるため、開腹手術へ移行させていただくことにしました。

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●紐に牽引される小腸
小腸内の紐と胃内に残る紐が引っ張りあい、アコーデオン状に集まっている姿が見えました。幸い太い紐であったために腸管の断裂は免れました。

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●紐のリリース
摘出後の腸には、多少のダメージが残りました。腸管が一部赤く変化しているところです。牽引状態が長時間に及ぶと生死にかかわる状況になります。

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●摘出物
犯人は、まさにハムを包む紐でした。腸管のダメージが軽度であったため速やかな回復が望めます。

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私見ですが、猫に紐状異物による誤飲が発生するのは、猫の舌の中央には、尖った針状の返しがついているのが原因と思います。いったん紐を舐めだすと、手で引っ張り出すこともできず、後戻りできない状況に陥りるのではないかと思います。
猫ちゃんの側には、裁縫道具などを置かないよう普段から注意しましょう、そしてもし誤って飲んでしまっても、無理yり引っ張り出さないようにしましょう!


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犬の耳端部僅かな損傷 [院長ブログ]

●イタリアングレーハウンド 2歳 ♀
先日、腹腔鏡下で避妊手術を行いましたが、今回は「5日前から、耳の端が切れて血が止まらない」主訴で来院されました。

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●耳端からの出血
小さな損傷ですが、一旦止血されても、頭を振り患部をぶつけることで再び出血が始まります。

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飼い主さんが応急処置でバンドエードを装着されました。しかし、先端部を強く保護してやらないと、耳先をぶつけて再び出血が始まります。大量出血ではありませんが、長期継続すれば貧血も発生します。できるだけ早く止血しなければなりません。

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●処置、治療
先日の血液検査では異常はありませんでしたが、念のために血液を止める役割を果たす血小板数と血液凝固因子の異常を探る検査(PT.APPT,Fib)を再測定しました。結果は、血小板、凝固系共に正常、また身体検査での出血傾向もないため、先端部の止血と耳の固定を行いました。

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犬のアレルギー性皮膚疾患  [院長ブログ]

●レオ ♂ 5歳 チワワ
通年で薬を飲む西洋医学に不安を持ち、一生薬漬けになるのが怖くなり、東洋医学的(代替療法)アプローチを希望して来院されました。
当方の東洋医学的アプローチでは、鍼、漢方、振動、ハーブ、フラワーバッチ、オゾン療法などを行っていますが、飼い主さんとの話し合いの結果、振動療法で治療を進めることにしました。
先ずは、稟告と身体検査に十分な時間をかけてじっくりと観察しました。次は、特に大切な環境の聞き取り(食事、おやつ、水、油、電磁波、性格、ストレスなど)についてさらに詳しく行います。初診では、通常1時間〜2時間の時間を要します。

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●背部の膿皮症

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●脇の慢性炎症

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●四端の慢性炎症

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●2週間後の背部

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●2週間後の脇

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●2週間後の四端

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●西洋医学と代替療法
振動療法には、副作用は有りませんが、改善に時間を要します。今回は、振動療法と短期間の漢方薬の処方と漢方シャンプー療法を併用しました。西洋医学におけるアレルギー診断は、発症年齢、犬種、食事、血清学的アレルギー検査を用いて診断を進めます、通常は主力薬としてステロイドが使用され徐々に漸減していく処方です。

合成ステロイドは、ご存じの通り、実は天使の顔をした悪魔と呼ぶにふさわしい薬剤です。一旦は炎症を抑えますが、組織に沈着し活性酸素を発生し炎症の再燃が起こります。また、腸内細菌にも悪影響を与え免疫を低下させます。よって、徐々に漸減しながらコントロールすることになりますが、まず中止することはできません、そして、使わないに越したことはありません。

我々の思いは、副作用の無い治療を行い、動物と立場を同じとし、自らが望む治療を提案、提供しなければならないと信じています。もちろん、飼い主さんとメリット、デメリットを話し合いながら、西洋医学的治療を望まれれば、できるだけ副作用の少ない方法でコントロールする提案を行っています。


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