腸閉塞/プリン、梅干し詰まる! [院長ブログ]
●プリン 7歳 ダックスフンド
2週間前から、時々吐く症状がありました。ここ数日いつもの元気がなく、食欲が無いので来院に至りました。嘔吐といっても色々な原因が考えられます。肝臓、腎臓、膵臓、消化管、神経などなど・・・・まずは、身体検査後に血液検査を行いました。
●レントゲン検査
血液検査と並行してレントゲン検査を行いました。胃内に大量の液体貯留がみられますが、異物らしきものは見当たりません。
●超音波検査
次に超音波検査を行いました。気になった所見は、胃に大量の液体が貯留していたことです。また、胃の中に気になる影も見られました。
●内視鏡検査
胃の状態がどうしても気になるので、胃カメラ検査を行うことに決めました。食道、胃は問題ありません。次に十二指腸へすすみます。最初は綺麗でしたが、徐々に空腸に進み入れるに従い腸管の色合いがおかしく感じる様になりました。「あれれ?あれは何だ!」・・・・「おー!なんか種みたいだぞー!」内視鏡からバスケットを挿入して2回の摘出を試みましたが上手くいきません。ここで時間をかけているよりも早期に開腹に移る方が良さそうです。
●開腹手術
胃カメラを早々に引き揚げて開腹に移りました。開けて直に十二指腸の閉塞物が見つかりました!黒く変色している腸がわかりますか?切開して閉塞物を取り出すことも可能ですが、腸の色があまりに悪いので、腸管の部分摘出を同時に行うことにしました。
●縫合
色の悪い部分を約10cm切除し、切断した腸同士をくっつける腸管吻合術を行いました。色の悪い部分は全て切除しましたから直にくっついてくれると思います。、明日からご飯を食べれるぞー!
●ななな何?
手術後、憎き閉塞物を確認しました。腸にいっぱいいっぱいにへばりついて、身動きできないこの物は何者じゃ??それから、腸の色を見てください、通常はピンクですが、血行が遮断され暗赤色に変化しています。
●ででで出た、黒梅!
血液で黒く変色した梅干しは、ちょうど腸に詰まりやすい大きさと表面構造を持ちあわせていました。飼い主さんから話を聞くと以前から、テーブルの梅干しが時々なくなっていたことに気がついていたそうですが・・・・まさか詰まるとは思っていなかったようです。同じ大きさのビー玉であれば便として出たかもしれませんが、とにもかくにも普段からの注意が必要です。
●経過
今回、幸いにしてギリギリの段階で発見、手術につなげることができなによりでした。もう少し遅れると壊死した腸が破け、腹膜炎につながっていたと思います。ギリギリセーフでしたが症状は出ていました、嘔吐とあなどらず早目の診察が大切です。
関連タグ :
針治療。 [院長ブログ]
●ココ ダックス ♀3歳
盆休み。家族で車で移動中、お爺さんがクーの腰をもって強く引っ張った時に事件は起きました。突然「キャン!」。その瞬間から後ろ脚が立たなくなってしまったのです。九州から急ぎ帰宅、飼い主さんとの話し合いの結果、内科療法の治療が始まりました。そして、内服と安静の闘病生活がスタートしたのでした・・・・。
●針治療
安静は、ダメージを受けた腰には良いことですが、筋肉がだんだんと萎えてしまいます。そこで、途中から針治療を併用しました。各種経穴(つぼ)に針を刺入し、電気を流します。これにより、筋力強化また、経絡の流れをよくすることができます。最初は、2日に一度。80%の回復が見られた現在では、2週間に一度の治療を継続しています。
●灸頭針
刺入した針の頭にもぐさを載せて、火をつけます。この温もりと刺激が、回復を促します。ちなみに、私も2週間に一度、この治療をしてもらいますが、何とも気持ち良いものです。(院長)
●むむ ダックス 6歳♂
10日前から踏ん張れず、歩けなくなったそうです。既に時間がたっていましたので、深部痛覚を確認後、内科療法と筋力強化のために針治療を始めました。むむの正式名は「夢夢」。夢が一杯あったらいいな〜と名付けました。特技は短い脚で「敬礼!」できること。しかし、今はそんなこと言ってる場合じゃありません。
●約10日の治療(針、レーザー)で腰の痛みはなくなりました。また、ナックリング(足先が曲がったまま)していた足も、最近では、踏ん張ることができるようになり、安静厳守が難しくなりつつあり、嬉しいような悲しいような状況です。
関連タグ :
(改)腫瘍内科学2 [院長コラム]
今回は、腫瘍内科学第2弾。講師は、ミズーリ大学の元獣医癌学会会長、Dr.Henrryでした。私は、腫瘍の化学療法に消極的でしたが、エビデンスに基づいた最新情報を沢山勉強することができ、やはり、日々進化する情報を入手しなければいけない刺激を改めていただきました。左は、ミシシッピー大学の腫瘍学助教授のJohonson先生です。今回お二人で、来日されました。
そして、「え!まだ?」と言う程たくさんの質問させていただきました。左の写真は、2次会の席でも紙ナプキンを使ってしつこく質問する私石崎は「クエスチョンマン」という光栄な?ニックネームを付けて戴きました。腫瘍治療は副作用も考慮して慎重でなくてはなりませんが、講師の多くの経験から自信を戴き、とても充実した2日間になりました。(この写真はわざわざ先生が送ってくださいました。有難うございました。)
●講義内容
・腫瘍学の論理的方法
・犬の骨肉腫
・犬と猫の膀胱腫瘍
・犬と猫の口腔内腫瘍の診断と治療の選択肢
●朗報!?
・「抗癌剤と新しい消炎鎮痛剤を組み合わせることで、抗癌剤の毒性を軽減できるかもしれない」試験が開始されるそうです、2年後には良い結果が得られるかも知れません。
















